雨のち晴れ 2 (青) (ページ49)

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おまけ安田side ページ49

新しい学校に初めて行った転校前日。

あの日、もしAとすれ違っとらんかったら

今頃おれはどうしてたんやろ。

クラスの奴はみんないいやつで不自由はないけど

Aがいなかったら俺は退屈してたんちゃうかな。

多分やけど、もしあの日すれ違わんかったとしても

いつかは絶対にAに落ちてたと思う。

やってAはほんとに可愛くていい子やもん。

あれじゃあ彼氏くらい余裕でおるんやろうかなって思っとったけど、いないってわかってほんまに嬉しかった。

まぁ、丸山が好きって言うの知って一気に落とされたけどな。

いっつも大倉と一緒におるから、大倉と仲良うなれば少しはAと近くなれるんかなとか思って

もともと入るつもりなんかなかったバスケ部に入ったりもして。

話しかけた時のテンションとか、人への気遣いができるとことか

そういう所にはじめは惹かれた。

もっと話したくて、偶然友達から貰った遊園地のチケットがあったから誘ってみたりもした。

待ち合わせ場所でA見た時はほんまにあかんって思ったなぁ笑

可愛すぎて俺今日耐えられへんちゃう？！って。

日曜で人も多くて、乱暴な輩に連れてかれたりしたらあかんと思って

なるべく至近距離保っとったのに
A普通にしてんねんもん、そこはもうちょっとドキドキしてくれてもええのにって思った。笑

ちょっと離れたらやっぱり変な男に絡まれとるし。

あん時はすごい焦った。

おれ、ほんまにAの彼女やったら良かったのになって思ったのを覚えてる。

観覧車の中で、楽しそうに景色を眺めるAを見て

おれ、この子のこと好きやって気づいた。

大倉がAのこと好きって言うのはすぐわかった。

俺がAに少し避けられるようになった時に

バスケ、一対一で勝負挑んできたりした時もあった。

ほんまに圧倒されたわ。

大倉の方が全然Aを知ってるってのは分かっとった。

やからめっちゃ怒られた。

Aが好きなんやったら傷つけたりすんな、無理なら俺が貰うって。

もしあの時大倉に怒られてへんかったらほんまに取られてたやろなぁ。

Aはほんまに人に愛されとる。

もう傷つけないように、大事にせなあかんな。

Aと出会えて良かった。