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｢え、っ？｣
首にかかっているのは紺色のマフラーだった。
慌てて涙を堪えて見上げると、そこには安田先輩の顔があった。
どうして安田先輩？
安｢俺でよければ話聞くで｣
｢先輩、っ｣
安田先輩は目線を合わせるように私の隣にしゃがみこんだ。
ふわって笑った顔を見たら、少しだけ気持ちが落ち着いた。
｢わたし、失恋したんです｣
安｢失恋？｣
なんだかこの人になら喋ってもいいかなって思った。
｢入学当初からずっと大好きだった部活の先輩がいて。でも、その先輩、小学校の時からずっと好きな人がいるらしいんです｣
安田先輩は静かに頷きながら私の話を真剣に聞いてくれているようだった。
｢その先輩、いつもその場の空気を一気に明るく変えちゃうんです。
私が上手くいかなくて落ち込んでる時、意味のわからないギャグで笑わせようとしてくれたり。
人の気持ちを汲み取るのが上手くて、ほんとにすばらしい人で、、｣
喋り出すと止まらない、丸山先輩のいい所。
ずっと思い続けていれば、いつか私も先輩の隣に立てる日が来るんじゃないかって思ってた。
｢だからやっぱり、ハードル高くて、、。
同じ部活ってだけで、ほかはクラスも学年も過ごしてきた環境も違って...
やっぱりこんな私には程遠い存在だったんです。
ホントはずっとわかってたんです、、
でも、」
こんなに人を好きになったのは初めてだったから。
｢、辛いよっ、｣
言葉を発するためにこらえていた涙が
その一言で一気に溢れ出した。
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作者名：お茶。 | 作成日時：2019年1月14日 18時
