Part3 _ 償い .1 ページ8
章ちゃんはぽつりぽつりと話し始めた。
章「海斗って言うんやけどな。
俺は当時美術部で、そいつも美術部やった。
俺とそいつは絵が好きっていう理由ですぐ仲良うなって、いつも一緒にいたんや。
そんで、高校も美術の専門学校目指そうって。
将来は一緒に画家になるんやっていつも言っとった。
やけど、当時...生活の傍らでやっとったアイドルの仕事がよく入るようになった。
俺はそっからだんだん学校に行くのが厳しなって、部活にも行かれへんようなったんや。
海斗と一緒に絵を描くことも少ななって。
でもあいつは俺のアイドルの仕事を応援してくれたんや。
そんである日、俺は市立の高校への進学が決まった。
やっぱりアイドルやりながら画家目指すんは無理で、アイドルの仕事も上手くいって手放すことは出来ひんくて。
海斗はもちろん美術の専門学校に進むことになった。
約束守れんかったってすごく罪悪感あったんやけど、あいつが俺を応援してくれくれたから
自分の選んだ道を精一杯頑張ろって思えたんや。
で、海斗の誕生日が来たんや。」
そこまで話すと急に章ちゃんは下を向いた。
本当に辛そうな顔をして。
章「絶対にその日は休み貰って祝うって決めとったから、ちゃんと仕事の休みも貰って
休日やったからあいつの家にケーキ持って行ったんや。
2人だけで誕生日パーティーやって、お互い頑張ろなって言おうと思ってたんやけど
俺があいつの家に行ってケーキ渡そうとしたら、いらん言うてケーキを投げた」
章ちゃんはさらに顔を手で覆った。
章「そん時俺は初めて知った。
俺はあいつのほんまの気持ちを分かってなかったんやって。
その後海斗は家を飛び出してな。
追いかけたんやけど...あまりのショックで出遅れた。
追いかけて追いかけて、やっと見えたんはあいつの無残な姿やった」
「え、、」
私は言葉を失った。
やっと章ちゃんのその悲しい目の理由がわかった。
章「あいつは事故で死んだ。
横断歩道を渡る時、赤信号を突っ込んできた車に轢かれてな」
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お茶。(プロフ) - kafwerateさん» 初めまして、素敵なコメント本当にありがとうございます...!自分の文章をその様に受け取っていただいて、本当に嬉しいです(TT)お返事が遅くなってしまって申し訳ないです(TT) (2020年12月9日 16時) (レス) id: 9de1274b8c (このIDを非表示/違反報告)
kafwerate(プロフ) - はじめまして、1年くらい前のものと思われますが完結お疲れ様です。ふとこの話に出会ってノンストップで最後まで読んでしまいました。途中から涙で顔ぐしゃぐしゃになりながら読んでました笑 もう本当に感動しました。この話に出会えて良かったです。突然失礼しました。 (2020年8月13日 1時) (レス) id: 7243bdd22a (このIDを非表示/違反報告)
お茶。(プロフ) - ふわぽむさん» なんて嬉しいお言葉でしょうか(TT)本当にありがとうございます。文章力をもっと上げて、もっと素晴らしい作品がかけるように頑張ります! (2019年7月20日 23時) (レス) id: 388165f169 (このIDを非表示/違反報告)
ふわぽむ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!正直最初は妄想の延長線で拝見したこの作品に、どんどん引き込まれていきました。ヤスくんのお話じゃなくても面白いだろうけど、お茶。さんの描くヤスくんだからこそこんなに素敵な作品になられたんだと痛感しております。おまけ楽しみしてます♪ (2019年7月20日 22時) (レス) id: 5ff2bede50 (このIDを非表示/違反報告)
お茶。(プロフ) - てばさん» ありがとうございます!暫く放置しててごめんなさい(TT) (2019年6月16日 18時) (レス) id: 388165f169 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶。 | 作成日時:2019年3月11日 1時