第８４話 ページ5
深紅の絨毯の突き当たり。
大きな扉に付いた金色の取っ手を押せば、隙間から埃っぽい空気が流れてくる。
「ごほっ、」
埃は宙を舞い、窓からの日差しで白く輝きながら床へ落ちてゆく。
この屋敷の図書室にはいるのは、これが初めてだった。
話には聞いていたけれど想像以上に広い。
しかしあまり使っている人はいないようでそこかしこに埃がたまっているのが見えた。
「この広さを掃除するのは骨が折れる・・・」
足を踏み入れば、目の前に広がる自分の背の高さ以上の本棚。ざっと20はあるだろうそれらにびっしりと本が詰まっている。
きっとナムジュニオッパが見たらここから出て来なくなりそうだ。
硬く絞った雑巾と埃を落とすほうき、それからしまってあった脚立を持ち出してきて早速掃除に取り掛かる。
テヒョンイオッパ、夕飯のデザート三日分譲ってもらうぐらいしないと1人逃げ出したことは許さないからな。
そうして数時間立つ頃にはなんだかんだ一番奥の本棚にまで到達し、私は脚立を立てかけていた。
「・・・この本棚、随分大きいな、」
ここには辞典やら歴史書などの分厚い本が並んでいて、どれも背表紙が古いものばかりのようだった。
この棚で掃除は終わるし、試しに少し読んでみようかと深緑色の歴史書を引き出してみる。
表紙には金文字で”妖精族と自国の歴史”と綴られている。
そういえば、詳しいことはそこまで聞けていないことに気が付く。
妖精とか、貴族とか。
この世界についてもっと知っておくべきなのに、このチームはいつもバタバタしていて落ち着いて話も聞けないんだ。
「えーっと、目次は、・・・あった、」
目次にはかなりの項目が並んでいる。これをすべて読んでいる時間はなさそうだ。
その中で気になるのは何かと探してみると。
「・・・ん？妖精族の掟？」
そんなものがあるのか！と新たな発見に好奇心を覚え、すぐにそのページをめくった。
”1, 妖精族は自身の魔力を悪用してはならない”
”2, 妖精王は女性であること”
”3, 妖精族は純血であること”
”4, 妖精族は他種族と婚姻してはならない”
以上を違反した者は法によって死刑となる
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あおい(プロフ) - 続きが見たいです (2021年9月24日 19時) (
レス) id: c9d4ae5e45 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ぴぴさん» 読んでくださりありがとうございます！中々に亀更新ですみません(TT) 頑張ります！ (2021年1月3日 11時) (レス) id: 2096d89c8f (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴ(プロフ) - 個人やストーリーの設定が細かく書かれていて、とても引き込まれます！次の更新お待ちしております！ (2021年1月3日 0時) (レス) id: 9322e2c8bc (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - _tunputo_さん» 待っていて下さって本当にありがとうございます……！とても嬉しいです(T^T) (2020年12月22日 17時) (レス) id: 2096d89c8f (このIDを非表示/違反報告)
_tunputo_(プロフ) - 更新待ってました！！おかえりなさい！！！ (2020年12月22日 17時) (レス) id: 6e8ee68207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリン | 作成日時：2020年10月8日 22時
