第８２話 ページ3
｢……きっっっつ！！！｣
テヒョンイオッパが雑巾を絞りながら、突然上を向いて叫んだ。
｢ちょっと！声が大きいです！！｣
それなりに大きな声は高い天井に反射するも、たまたま周囲に人がいなかったお陰で誰にも聞かれずに済んだが。
｢ああもう、使用人になんて二度とならない！｣
｢それに関しては私も大きく同意です｣
そう、私たちは運良く使用人として雇って貰うことが出来て、1週間前からミン家の使用人として働いていた。
しかし、なかなかユンギオッパのお父さんは自室から姿を表さないし、取引先の動きも特になし。
そのため私たちはただただ家事洗濯掃除を繰り返しており、焦る気持ちと疲労が積もっていた。
｢ここに来て1週間……そろそろ取引先とミン家当主の会話ぐらいは盗聴したいものですね｣
｢だね……。でもこの屋敷、クスリの匂いがプンプンするかと思ったら全然しない。まあ、完全にしない訳では無いけど。｣
絞った雑巾で窓を吹き始めるオッパと、廊下のホコリを集めながら会話を続けた。
ちなみにジニオッパはホソギオッパの影に入って屋敷の警備と偽って現在色々探りを入れている。
夜になればジニオッパが私の影に移動して、ホソギオッパと集めた情報をこっそり教えてくれるのだ。
それで分かったことがいくつかある。
ユンギオッパのお父さんは既に病床であり、あまり先が長くないこと。
取引先が姿を見せるのは限られた人の前のみで、普段と客人が通される応接間には通されないこと。
……ユンギオッパには実は許嫁が居たけど、オッパが失踪したから婚約破棄になってしまったこと。
最後に関しては噂好きのメイドから盗み聞きしたけどね。
相手はかなりの良家らしく、おそらくユンギ様が戻られたらまた婚約がすぐに結ばれるだろうとのこと。
それを聞いたホソギオッパは、｢尚更ユンギヒョンはこの家に戻ったらダメだな笑｣なんて言って笑っていた。
しかし分かったことと言えばそれくらいで、特に目新しい情報は得られていなかった。
｢うーん、なんかもっと決定的な情報が欲しい。なんか方法ない？｣
｢……正直、危険を冒せば情報はもう少し手に入りますけどね｣
｢え、方法あるの！？｣
既に使用人業務に疲弊したテヒョンイオッパは私に期待の目を向ける。
｢正直あんまりしたくはないんですが｣
うん、犯罪1歩手前だからやりたくないんだよな。
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あおい(プロフ) - 続きが見たいです (2021年9月24日 19時) (
レス) id: c9d4ae5e45 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - ぴぴさん» 読んでくださりありがとうございます！中々に亀更新ですみません(TT) 頑張ります！ (2021年1月3日 11時) (レス) id: 2096d89c8f (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴ(プロフ) - 個人やストーリーの設定が細かく書かれていて、とても引き込まれます！次の更新お待ちしております！ (2021年1月3日 0時) (レス) id: 9322e2c8bc (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - _tunputo_さん» 待っていて下さって本当にありがとうございます……！とても嬉しいです(T^T) (2020年12月22日 17時) (レス) id: 2096d89c8f (このIDを非表示/違反報告)
_tunputo_(プロフ) - 更新待ってました！！おかえりなさい！！！ (2020年12月22日 17時) (レス) id: 6e8ee68207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリン | 作成日時：2020年10月8日 22時
