キミの声で揺らして。 (ページ15)

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13 : Yujin.Suzuki ページ15

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待ちに待った金曜日。

あと半日で休みだーって自分を励ます。

それに、金曜日ということは

悠仁がうちに来る日ということだ。

土日には必ず私の家に泊まりに来る彼。

それを楽しみに平日がんばっている。

「…あれ」

「もしもし？」

「悠仁？どうしたの？」

珍しく電話が来てじっくり。

昼間に連絡なんてめったにないのに。

「いや、ちょっと帰り遅くなるから

ちょっと電話しといた」

「あ、そうなの？」

「うん、あ一家着くの1:00くらいになると思う」

「1:00？珍しいね」

「うん」

最近忙しいんだとは聞いてたけどこんなに遅いとは。

この合間の時間だってきっとバタバタなのに

連絡をくれる彼は優しい。

「分かった。持ってるね」

「いやいいよ、待ってなくていいよ。

先寝てていいよ、うん」

「明日休みだし、夜更かし平気だよ？」

「いいって先寝てて」

「ほんと？」

「うん」

「寂しくても知らないよ？」

「うん」

なんて、寂しいのは私の方。

何時になったって、一緒にベッドに入るときが

割と好きなんだけどな。

スマホを握る手の力が強くなる。

「1:00より遅かったら怒ってやる」

「分かった。早く帰るから」

自由なイメージの彼。

けど、こうして私のワがママというか

子どもっぽいところをやんわり受け入れてくれる。

「分かった」

「はい。…じゃあまたね」

「うん」

「バイバイ」

「バイバイ、がんばって」

「あーい…」

スマホを耳から離して、画面を見つめる。

遅いなら自分の家に帰ってもいいんだよ？と

無理させたくなくて送った。

秒でついた既読。

" 寝顔でもAの顔見たいんで、そっちに帰りまーす "

会いたいのは、お互いさまだったのか。

自然と口角が上がってしまった。

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12:21 鈴木悠仁

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