灰病にならなかった理由 (ページ14)

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いやだ、いやだいやだ……
そんなの信じたくない

『紺さんは…灰病に』

そんなの絶対信じない

私を止める隊員の声も聞かずに詰所まで全速力で走った

ﾊﾞﾀﾝｯ

｢紺炉！！！｣

詰所に着いてから、紺炉の名前を呼びながら部屋を巡回した
早く顔を見たい
嘘だと言って欲しい、

｢A……！！｣

｢べ、紅ちゃん……！？傷だらけじゃない、どうして手当してな｢すまねえ……｣……な、何謝ってるのよ、やめてよ。｣

｢俺に力が無いばかりにこ｢やめて…｣紺炉を灰病に｣

｢やめて！！！……嘘って言って……お願い……。｣

それから、紅ちゃんに紺炉の部屋に案内された
既に寝ている紺炉
鼻先には見たことの無い傷
肩には包帯が巻かれていて、枕元には冷却布があった

涙が止まらなかった
どうして私はこんなに無力なのか
旦那が辛く大変な時も、私は何も…

『紺炉を、頼む…。』

先代…
新門火鉢さんの言葉が頭をよぎる

そういえば、夢で貰ったあの炎

癒しの炎……
少し手に力を込めると発火能力は発動され、緑色の綺麗な炎がゆらゆらと揺れていた

｢……これならきっと救えるかもしれない。｣

ずっと見てるばっかりの私でもやっと紺炉の役に立てる
やっと……

｢待っててね、紺炉。必ず助けるから。｣

紺炉side

目が覚めるとさっきまであった背中の痛みが無くなっていた
背後にあった全身鏡に映った自分の姿に驚いた
包帯は取れていて炭化していた部分は治っていた

｢こりゃ、どうなってんだ……、ｯ!?血！？｣

そこには大量の血痕があった
誰のだ、
俺か？
だがそんな傷はどこにもない

｢紺さん！！大変です！！Aさんがどこにも…！！って、あれ？炭化のき｢Aがか！？｣あ、え、えぇ、紅が昨晩話したっきり見かけてねぇって｣

そう言われ、寝床から飛び起きた
もしAだったら…

｢紅！！！｣

｢紺炉……！！｣

｢Aはどこ行った！？｣

そう聞くと首を振り、眉間に皺を寄せながらキョロキョロと視線を泳がせる

｢俺も探していたんだが、どこにもいねぇんだ。｣

｢あぁ、慎平太から聞いたがどこにもいねぇって｣