｢狼の中にプリンセス｣3×EXO (ページ8)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:125,249 hit

No.2 ページ8

BHside

結局、機嫌が悪いらしいチャニョルと僕は校舎に入った。
見落とさないようじっくりと辺りを見渡して探していると、
見慣れた後姿が視界に入り込む。
「あれ、ジョンインじゃない？」
指さす僕を見て、一気に表情が明るくなったチャニョル
「マジ⁈Aか？」
僕、ジョンインって言ったんだけど。
なんて思いながらすでに早歩きで向かうチャニョルを追いかける。
「あ、ベク」
僕達に気づいたジョンインがぼそりと声を漏らす。
あれ、でもAの姿が見当たらない。
それに気づいたチャニョルも、辺りをきょろきょろと見渡していた。
「ジョンイン、Aは？」
そう問いかけると、一瞬表情が曇った
それと同時に正体のわからない喉をつまらすような嫌な予感が押し寄せる
「はぐれた」
…やっぱり。
「はぐれたってお前、どうするんだよ⁈
ジョンインにならAを任せられると思ってペアにしたのに！」
そう怒鳴るチャニョルに、ジョンインはごめん。と、小さく呟いた
「まぁでも今更どうこう言ったって仕方ないよ。
こうしてる今でも危険な目に合ってるかもしれないし、
とらあえず探そうよ。」
そう言うと、チャニョルは舌打ちをすると
「ルハン達にも連絡しといて。」
と言って走り出した

ふと隣にいるジョンインをみると心配そうな表情を浮かべて、
くしゃくしゃっと髪を乱した。
そんなジョンインを見つつ、ルハンに電話を掛ける。

＜はい、もしもし？＞
「あぁ、ルハン。
箱は見つかった？」
＜いや、それがまったくなんだよねーっ。
なぁセフナ＞
なんてルハンが問いかけたから、
そうなんだよぉー。
なんてオーバーに落ち込んだセフンの声が聞こえる。
「そっか、それでなんだけどさ。
Aが行方不明になった」
＜＜はぁ⁉＞＞
重なった二人の声が大音量で聞こえる

「だから、今は箱よりAを探して欲しい。」
僕がそういったと同時に、がちゃがちゃと雑音が聴こえた。
多分走ってるんだろう
＜わかった！＞
荒い息と一緒に聴こえた言葉に、
よろしくね。と言って電話を切った。

よし、それじゃあ僕らも
「ジョンインっ」
「ん、」

はぐれた姫を迎えに行きましょうか。

.