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契約書は誰の手に ページ7

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「ねぇ、そうでしょ?」
ゆっくりとした口調、足取りで近づいてくる彼から少しづつ遠ざかる。
そんな私を見て、不思議そうに首を傾げると
「なんで逃げるの?」
なんて聞かれてしまった。
なんでって言われましてもそりゃ…
貴方が近づいて来るからでしょ。
天然なのか、この人は

「え、もしかして僕が嫌いとか?」
はぁぁあ!?
と言いたくなるところを、かろうじで抑える。
初めて会ったのに、嫌いかどうかなんてわからないでしょ。
「はぁ…折角君を助けてあげようとしたのに。なんかショックだな」
いつの間にかそういう事になっていて、違いますよ!と必死に否定する。
すると、彼は嬉しそうに笑った。

「あはは、良かった」
柔らかい笑顔を浮かべてそう言った彼を見て、さっき目の奥が笑って無いように見えたのは気のせいだな。
そう私は悟る。
「あ、それでね
実は僕、君を助けてあげたいんだ。」
あれ、さっきも言ったかな?と首を傾げる彼
そんな彼は再び私に近づくと、私が手に持っていた契約書をひったくった。
「なっ⁈何するんですか‼」
「これ、要らないよね」
はい⁈
要りますよ絶対‼
「私には必要です‼」
「なんで?」
…いや、なんでって言われましても
そりゃぁ…
「君、この学園からもう抜け出せるんだから」
それは、どういう…
「僕が辞めさせてあげる。
次の学校も僕が手配してあげるから」
そんな言葉に、
私の胸はズクリと痛む。
「ずっと望んでたでしょ?
違う?」
それは…
確かに望んでいたかもしれない。
毎日が危険で落ち着く事も中々出来なくて。

でも、そう思っていたのはこの前までで、
今は皆と…離れたくない。
くだらない事で笑って、
いつも私といてくれてる皆と、
離れたくない。
それが私の今の気持ち。
「私は…」
辞めたくなんかありません。
そう言いたかったが、彼によって言葉を遮られた。
「君はいいかもしれないけど
チャニョル達は迷惑かもしれないよ?」
「え…」
「だってさ、毎日目を見張らないと行けないし
君に付きっきりにならないといけないし、
彼らは君がいなくなれな自由になれるんじゃない?そう思うでしょ?」
そ、それは…
悔しいけど迷惑かけてない、とは言い切れない
やっぱり私は邪魔なのだろうか。
今、皆には自由がないのだろうか。
「私…」
「そんな事ねぇよ。
大事だから守ってんのっ、
そうじゃなかったら今頃捨ててる。」
そんな聞き慣れた声がして、
私は一瞬にして目元が熱くなった。

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オオカミ - 続きすごい気になります。・°°・(>_<)・°°・。更新待ってます!! (2015年8月30日 1時) (レス) id: 20f462c520 (このIDを非表示/違反報告)
exo ギョンス(プロフ) - 更新頑張ってー…>_<… (2015年3月31日 23時) (レス) id: 2ccd98a7f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ(プロフ) - こういうお話しすごく好きです!!更新楽しみにしてます!! (2014年4月9日 22時) (レス) id: 875582a2ae (このIDを非表示/違反報告)
hiyoko(プロフ) - とても面白いです!続き気になります(´-`) (2014年3月8日 5時) (レス) id: 0cf0a828fa (このIDを非表示/違反報告)
みっちぃー(プロフ) - 続き読みたいです!o(^o^)o! (2014年2月1日 8時) (レス) id: 4f52976dfb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルミン | 作成日時:2013年9月7日 11時

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