妖が視える少年との出会い9 ページ10
夏目side
「…ぅ……ん…」
気絶した彼の隣に座ってじっとしてること数分。小さな呻き声が聞こえてきて、ハッと彼の方を見ると、うっすらとまぶたが開いた。
「おい、起きたか!?大丈夫!?」
「……ぅ…………は、え?」
思わずぐっと顔をのぞき込むと、彼はパチパチと混乱した様子で瞬きをしていた。
特に異常はなさそうだと表情が緩む。
「おいお前、その…体調は大丈夫か?」
「えっと……はい。大丈夫、のようです…」
気が流行るのを抑えながら、とりあえず気分はどうかと聞いてみる。
キョトンとしたまま自分の体を見下ろすところを見ると、彼の言うとおりもう大丈夫なんだろう。
「そ、そうか…よかった……お前、ここで倒れてたんだぞ?」
嘘はついていない。
ここに倒れていたのは事実だった。
原因といえば、十中八九、先ほどの妖の影響だろう。
しかし、妖に襲われていたんじゃないかと直球で聞けるほど、自分はまだ強くない。
自分の臆病さに嫌気がさし、ギリっと奥歯を噛み締める。
そろりと彼の様子を伺うと、動揺しているのか、何かを言おうとぱくぱくと口を開いたり閉じたりしていた。
それを見て俺は、覚悟を決めた。
両手をそっと握りしめて、腕が震えるを抑えながら口を開く。
聞かなきゃ。
言わなきゃ。
本当に俺と同じなのかどうか。
「あのーーーー、」
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ゆう(プロフ) - 更新待ってまーす! (2017年6月5日 0時) (レス) id: c901a87f20 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - 初心者で不慣れな執筆ゆえ拙い文章ですが、できる限り丁寧に、ご期待に添えるような物語を書いていきたいと思います。これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - Sisselさん» アドバイスもたくさん頂き、本当に感謝しております。自分でも見落としていたミスに気がつくことができました。「中てられる」という言葉は、意味がまた違うんですね……汗 (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - Sisselさん» 感想ありがとうございました。初めての投稿作品をこんなにも評価して貰えるとは思わず、今とても驚いております…( ゚д゚)ポカーン (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!自分でもびっくりで…更新楽しみにしてくださってて、嬉しいです〜 (2016年10月14日 1時) (レス) id: 9295142d7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤穂 | 作成日時:2016年4月3日 2時