とある休日の過ごし方4 ページ25
「A様〜!一緒に飲みましょうよ〜〜」
「いや、僕まだ未成年なんで酒は無理だといつも言っているじゃないですか……」
「そんなお堅いこと言わずに〜ほらほら!」
ワイワイ、がやがやと、酒を持ち出してきた妖たちは陽気に騒ぎ出した。
辺り一帯はどこからか騒ぎを聞きつけてきたらしい者共が次から次へとやってきては歌えや躍れやのどんちゃん騒ぎが早々におっぱじめられている。全くこれじゃあいつもの宴と変わりませんねえとぼやけば、楽しいからいいじゃないと思いのほか近くで撫子の声がした。……こいつ、さては確信犯ですね。
もはやピクニックどころではなく、これだから酔っぱらいはと呆れつつもしかし悪い気はしない。むしろそれはそれは楽し気な喧騒が辺りを囲んでいるものだから、なんだか酒を飲んでいないはずの自分までほろ酔いの気分ですよ。
(何度見ても、この光景は目を疑いますね)
僕の視点からは、お弁当の中身や酒瓶があちらこちらを浮遊し消えていく光景―BGM・笑い声―が目の前に広がっている。勿論、妖の姿が視えないからです。見慣れた光景ではあるけれど、やはりこれはホラーでしかない。……いつもあまりに普通に会話しているため忘れがちでしょうが、本当に視えないんですよ?
「「Aの兄ちゃん、楽しい??」」
「ええ、勿論。さあ、お弁当もなくなる前に食べてしまいましょう。小町さんの力作ですし」
いつの間にかそばに来ていた双子たちが声を弾ませるのに、クスリと一つ笑みをこぼす。
「兄ちゃん、デザートは!?」
「甘いものたべたい!」
「「例えばお饅頭とか!」
多分、すっごいキラキラした目でこっち見てるんだろうなあ…と容易に想像はついた。
そんなに慌てなくても、お饅頭は逃げませんよ?
「七辻屋のお饅頭、ちゃんと買ってきましたよ。たくさんありますし、食後にゆっくり食べましょう」
「「やったー!!」
ああ、うちの子たちがこんなにかわいい…………ん?遠目に何か白い物体が見えるような…
「七辻屋の饅頭だと!?私にもよこすのだー!!」
「おい先生!?いきなり走り出すなよっ…………て、A?」
「おや、夏目君じゃあないですか。こんにちは」
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ゆう(プロフ) - 更新待ってまーす! (2017年6月5日 0時) (レス) id: c901a87f20 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - 初心者で不慣れな執筆ゆえ拙い文章ですが、できる限り丁寧に、ご期待に添えるような物語を書いていきたいと思います。これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - Sisselさん» アドバイスもたくさん頂き、本当に感謝しております。自分でも見落としていたミスに気がつくことができました。「中てられる」という言葉は、意味がまた違うんですね……汗 (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - Sisselさん» 感想ありがとうございました。初めての投稿作品をこんなにも評価して貰えるとは思わず、今とても驚いております…( ゚д゚)ポカーン (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!自分でもびっくりで…更新楽しみにしてくださってて、嬉しいです〜 (2016年10月14日 1時) (レス) id: 9295142d7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤穂 | 作成日時:2016年4月3日 2時