新たな友達４(終) ページ21
Aside
｢俺達は、人には理解されないモノの存在を知っている｣
って、言ったらどうする？
唐突に発せられたその言葉は、僕と田沼君に少なからず衝撃を与えた。
人には理解されないモノ。それはつまり、妖だ。
妖に長く苦しめられてきた彼だからこそ、冗談を言っているわけじゃないことはすぐにわかった。
どこか緊張した面持ちで、それでも嬉しそうに微笑む夏目君。多分、秘密を打ち明けていいのか相当悩んだんでしょう。
まさか、田沼君は妖の存在を知っている…？
｢……田沼君、僕は所謂、妖と呼ばれるものを認知することが出来るんですが｣
信じられますか？嘘みたいな話、ですけど。
｢……信じるさ。だって、俺も同じなんだ。認知って程ではないけど、小さい頃からたまに気配を感じることがある。勿論今もね｣
多分、あっちの方にそれなりに大きい妖怪がいると思うんだけど…と、田沼君が指差した方向。
一見、ただ川が流れているだけの風景にしかみえないけれど、僕には心当たりがあった。
と同時に確信した。田沼君は、"仲間"だ。
｢夏目君、実はさっきからずっと"あそこにいるヤツ"の視線を感じるような気がしていたのですが、君にはどう見えてます？｣
僕や田沼君とは違って姿形もはっきり見えているであろう夏目君に聞くと、彼は小さく肩をすくめてみせた。
｢目玉のデカイ気味の悪いヤツがこっちをガン見してるよ｣
思わず、僕と田沼君は顔を見合わせた。
｢逃げるか？｣
｢悪意はなさそうですよ｣
｢追ってくる感じでもないし、ほっとくのが一番だろうな｣
夏目君はチラリと一瞬だけ視線をやったが、すぐに逸らした。
害はなくともあまり関わりは持たない方がいいとの意見に、僕と田沼君も頷く。
｢音羽は視えるわけじゃないのか？｣
｢ええ。音は聴こえるんですけど、姿までは視えません｣
｢へえ、そうなのか…｣
それにしても、と、夏目君がしみじみ呟いた。
｢案外、世間は狭いんだなあ｣
…全くですね。こんな田舎の学校に、まさか妖を知る人間が三人も集まるとは。
これも何かの縁でしょうか。
｢何にせよ、僕は仲間が増えて嬉しいですよ。田沼君、改めてこれからよろしくお願いしますね｣
｢ああ！よろしく、音羽｣
｢Aでいいですよ｣
｢おう、じゃあAな！｣
クラスメイトのまさかのCO。そして、新たな仲間。いい機会を作ってくれた夏目君に、感謝ですね。
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ゆう(プロフ) - 更新待ってまーす！ (2017年6月5日 0時) (
レス) id: c901a87f20 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - 初心者で不慣れな執筆ゆえ拙い文章ですが、できる限り丁寧に、ご期待に添えるような物語を書いていきたいと思います。これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - Sisselさん» アドバイスもたくさん頂き、本当に感謝しております。自分でも見落としていたミスに気がつくことができました。｢中てられる｣という言葉は、意味がまた違うんですね……汗 (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - Sisselさん» 感想ありがとうございました。初めての投稿作品をこんなにも評価して貰えるとは思わず、今とても驚いております…( ﾟдﾟ)ﾎﾟｶｰﾝ (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！自分でもびっくりで…更新楽しみにしてくださってて、嬉しいです〜 (2016年10月14日 1時) (レス) id: 9295142d7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤穂 | 作成日時：2016年4月3日 2時
