新たな友達2 ページ19
Aside
キーンコーンカーンコーン……
一日の授業もあっという間に終わり、放課後になった。
「音羽……!」
バタバタと教室が騒がしくなる中さっさと支度を整えて帰ろうとした僕は、唐突に、誰かに呼び止められた。
「はい?」
どうにも聞き覚えのない声だ。
首を傾げながら振り向くと、そこにはあまり面識のないクラスメイトの姿が。
クラスメイトの姿、が………………。
誰でしたっけこの人。
…………。
「あ、田沼君。どうかしましたか?」
そうだ、田沼要君!確か最近八ツ原の寺に引っ越してきたっていう。
危ない危ない。あまりにも印象が薄いものだから一瞬名前が出てこなくて焦りました。
しかし、今まで話すこともあまりなかったはずですが、何の用でしょう?
「あ、えっと、その」
「?」
「うう…」
なかなか話を切り出そうとしない田沼君。
というか、何故か表情が引き攣っているような気がする。
……え、僕、なんかしましたっけ?
「あの、「Aー…ってなんだ、田沼も一緒か?」…夏目君?」
「あっ夏目!」
話が進む気配がなく、どうしたものかと声を掛けあぐねていると、教室の扉からひょっこりと夏目君が姿を現した。
それを見た田沼君がパッと目を輝かせる。
どうやら夏目君とは知り合いらしい。
でもそんなあからさまに態度変えなくても…
「二人共、クラス一緒だったんだな。仲良いのか?」
「ええと、あんまり話したことはないのですが…」
「俺が声をかけたんだよ」
「田沼が?なんでだ?」
「それは、その…」
彼が来たことによって平常心は取り戻したようだったが、僕に声をかけた理由を尋ねられると、また口ごもってしまった。…らちがあかない。
ふと周りを見れば、生徒達はすっかり下校してしまって僕達だけが教室に残っていた。
「もう皆帰ってしまったみたいですけど、僕らもそろそろ帰りませんか?」
「え?ああ!すまん、引き止めてしまって!」
「いえいえ。もし田沼君が宜しければ、一緒に帰りません?」
思いもよらぬ提案に、田沼君はきょとんと目を丸くした。
「いいのか?」
「ええもちろん。夏目君とも仲が良いみたいですし、三人で帰りましょう」
「ああ、俺は元々そのつもりで待ってたんだよ。二人を紹介したくてな」
「「紹介??」」
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ゆう(プロフ) - 更新待ってまーす! (2017年6月5日 0時) (レス) id: c901a87f20 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - 初心者で不慣れな執筆ゆえ拙い文章ですが、できる限り丁寧に、ご期待に添えるような物語を書いていきたいと思います。これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - Sisselさん» アドバイスもたくさん頂き、本当に感謝しております。自分でも見落としていたミスに気がつくことができました。「中てられる」という言葉は、意味がまた違うんですね……汗 (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - Sisselさん» 感想ありがとうございました。初めての投稿作品をこんなにも評価して貰えるとは思わず、今とても驚いております…( ゚д゚)ポカーン (2016年12月13日 23時) (レス) id: 3c77e80249 (このIDを非表示/違反報告)
赤穂(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!自分でもびっくりで…更新楽しみにしてくださってて、嬉しいです〜 (2016年10月14日 1時) (レス) id: 9295142d7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤穂 | 作成日時:2016年4月3日 2時