お前を愛す準備 ページ43
「怜海。」
いつのまにやら兄が隣に座っていた。
『虎杖君、寝ちゃいました。』
膝で眠る虎杖に呑気な人だと思いながらそっと頭を撫でる。
「お前、人間らしい顔する様になったな。」
真剣な顔の兄に微笑む。
『虎杖君にすっかりきずされてしまいました。彼は本当にいい人です。』
この兄が高専で教師をやる理由が、少しほんの少し分かった気がする。
「お前にさ、兄として向き合わなかったことに後悔してる。初めてお前と会ったとき、曲がりなりにもお前のこと愛そうって思った。でも出来なかった。
お前のこと心から憎かったわけじゃない、でもお前の存在を肯定する事が今自分がやろうとしてることを否定するんだ思ってしまったんだ。」
『今は？』
不安げな瞳に悲しくなる。
彼女もまたあの息の詰まるような実家で、しかも術式を継げないことへの落胆や俺に代わり五条の上層部代表としての役割を期待されながら一人孤独を感じていたのではないか。
「今はもうお前を愛すのも怖くない。」
後頭部に手を当て引き寄せてキスをする。やばいな、コレ。悠二起きなきゃいいが。
目をぎゅっと閉じてキスに応じる妹は本当に可愛くて今可愛いと心から思えるのが嬉しくて。
これは正しい兄妹の形ではないのかもしれない。
でも俺もお前もこんなふうにしか人を愛せないんだよ。
しばらくしてキスが終わると妹が凛々しい表情で僕を見つめる。
『兄さん、私、貴方に言わなければいけないことがある。
もしこれを知ったら貴方は私を軽蔑するでしょう。
でもこれは私のケジメです。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅葉(プロフ) - 名前変換できないのそういうわけだったのか！楽しみにしてます(？) (2021年3月5日 22時) (
レス) id: e1c5f04354 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 五条悟LOVEさん» 今から全て(名前)に変換するとかなりの時間がかかってしまいそうなのでまとまった時間がある、もしくは近いうちに番外編などを書くかも知れないのでそちらの方で試してみます。 (2021年3月1日 21時) (レス) id: d2ca1706b7 (このIDを非表示/違反報告)
五条悟LOVE(プロフ) - 名前変換できるようにしてほしいです (2021年3月1日 18時) (レス) id: a618904336 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まほまほ | 作成日時：2021年2月26日 22時
