僕に優しい手を差し伸べてくれたのは貴女でした……。

２話 ページ2

僕は負けた…………

緋村剣心に……


強き者は生き 弱きものは死ぬ

僕が間違っていたのか………………



｢あぁぁぁぁぁぁぁ!!｣


｢うぁぁぁぁぁぁぁ!!!｣





ギュッ


｢えっ｣


『大丈夫…泣いてもいいんだよ、もっと自分の感情を出しきって良いんだよ』


僕はただ泣き叫んでいた……

名前も知らない人の腕の中で


貴女の腕の中はとってもいい匂いがした


こんな感情は初めてだな……




『えーと…名前……』

｢瀬田……宗次郎です｣


『宗次郎さん、どうして貴方は泣いていたの?』



｢僕は負けた……｣

『そっか……よく頑張ったね』

｢えっ｣

『足……血が出てる』

｢さっきの戦いで足だけを集中攻撃されたので……｣



『よく頑張ったね……もう大丈夫だから』

｢貴女は……貴女の名前は…?｣

『神木A……』

｢Aさんか…………いい名前ですね｣


『あっ、早く逃げましょ、もうじき大砲が打たれる』


｢なぜ貴女がそんな事を?｣


『秘密』

『ほら行こ?』

貴女は手を差し伸べてくれた

その手は僕の冷たい手を優しく包み込んだ

｢ありがとう(ﾎﾞｿｯ｣

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