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現場に着くと俺たちよりも少し先に着いていた伊野尾くんがメイクルームにいると聞いて、そちらへと移動する。
若干緊張気味になるのはどうしようもない。何だか動きがギクシャクしてしまったようで、薮くんから「お前動き変だぞ」なんてツッコミを入れられてしまった。そんなことないと返しても、自分でも変だって分かってんだろなんて言われてしまう。
だって仕方ないよ。もしかするともうあの花が見られなくなってしまっているかも知れないんだから。
会いたいけれど会いたくないような、そんな気持ちにもなってしまう。それでも会わなければ確かめることも出来ない。
逸る気持ちを何とか抑えてメイクルームのドアノブに手を伸ばそうとしたら、スッとドアが開いた。
「え」
「あ、�睫據� 薮もマネジャーも！ もう着いたんだ。おはよ」
「おは、よ」
「おはよー」
「おはようございます」
心構えがまだ出来ていない、中途半端な状況で伊野尾くんに会ってしまった。でも彼は急いでいるようで小走りで横をすり抜けてしまう。
「俺ちょっと車に忘れ物したから取って来るね」
「一緒に行きますよ」
「そう？」
絶妙な位置で背中が見えない。確かめられなくてヤキモキする。ああ、それならいっそのこと俺が行けばいいんだ。まだ時間もあるし。
「伊野尾くん！ 俺が一緒に行く！ だからマネジャーはいいから。待ってて。すぐ戻るからさ」
「むしろ僕が取ってきましょうか」
「いや、ちょい分かりにくいところに置いちゃったんだよね。自分で行った方が早いから。それに高木も来てくれるって言うし」
「2人で行って来いよ。マネジャー、俺メイク先しちゃうよ」
「分かりました。じゃあ始めてもらいましょうか」
「おー」
薮くんの後押しで、2人で駐車場に行けることになった。あとでジュースでも奢ろう。少し先で伊野尾くんが俺のことを待っていてくれている。
「何忘れたの？」
「バッグ。肩に掛けてたやつ、車に乗った時に置いちゃってさ。……なんで�睫擇睛茲討�れたの？」
「ちょっとね」
「なにそれ」
ふふっと嬉しそうに笑った伊野尾くんはちょっとだけ踊るような歩き方をして俺の先を行く。その背中には綺麗な花が咲いていた。その色は青く、以前見た時よりもさらに紫がかっているように思える。……よかった。ちゃんとそこにあった。めちゃくちゃほっとしていることを自覚して、顔が熱くなる。何度瞬きを繰り返しても花は間違いなく彼の背中に美しく咲き誇っていた。
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ruki(プロフ) - chocoさん» chocoさん、コメントありがとうございます！そんな風に言って頂けてとっても嬉しいです☺️本当にお花が見えたら2人ともずっときれいな花を咲かせて、周りに飛ばしてるかもしれません笑 まだもう少し続くので良かったらお付き合いくださいませ🥰 (7月6日 18時) (
レス) id: aad90071ba (このIDを非表示/違反報告)
choco(プロフ) - このお話めちゃくちゃ好きです🫶�睫擇気鵑頬�められてブワッて花が咲く所で伊野尾さんがどんな顔するのか目に浮かんじゃいました！その後お花萎えちゃうのに何でもない顔する所も。これからたかいのを見たら見えないお花が見えてきそうです。 (7月6日 5時) (レス) id: a8ac698638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruki | 作成日時：2023年5月15日 12時
