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現場に戻ると薮くんが「こっち」と手を振って出迎えてくれた。マネジャーは俺に行かせたことを申し訳なく思っているようだったからそんなの全然気にしなくていいからと伝えた。
「なんか2人とも嬉しそうじゃん。いいことあった？」
「え、別にそんなことないけど」
「バッグ取りに行っただけなのになんもないよ」
「そうかあ？」
このこの〜って肘でつつかれて、なんだかものすごく照れくさい。いや、ほんとに何もないって！ って答えても薮くんのニヤニヤは止まらない。ふにゃふにゃ笑顔でうっかりおっちょこちょいなところも多い人だけど、侮れないんだよな。
こういう時にはすぐなにかしらぐうの音も出ないレベルで答える伊野尾くんは、今日は特に返さない。ふんわり、笑顔だ。これは無言で黙らせるパターンだな。
「伊野尾の笑顔すげーな」
「ん？ なにか問題でもある？」
「いや、ない」
「そ？ それならこの話題はもう終わり。ほら、もう時間だからさ早いとこ済ませよう」
「んじゃやりますか〜」
俺たちの微妙な雰囲気に気付いてるっぽい薮くんを華麗に躱して、今日の予定をそつなくこなしてゆく伊野尾くんはさすがとしか言いようがない。俺はまださっきの出来事が頭にあって、ついつい意識してしまいそうになる気持ちをどうにか誤魔化す。伊野尾くんの背中の花はずっと咲いたまま。なんてきれいなんだろう。
「お疲れさまでしたー！」
「お疲れっす」
「じゃあ、また次の仕事で」
順調に仕事を終えて、やれやれとひと息つく。楽しい時間ってあっという間なんだよな。慣れた現場だとその感覚も強い。確かこのあとはみんなオフだったはず。飲みにでも誘うか？ 急だから予定あるかな。
「2人ともこのあとなんかあるの？」
支度をしながら尋ねてみる。スマートフォンをチェックしていた薮くんは、嬉しそうに答えてくれた。
「久々に侑李がごはん行ってくれるって」
「知念と？ いいなー。楽しそう」
「いいだろ。最近は大貴に取られまくってたけどたまにはね。サッカー話してくる」
「伊野尾くんは？」
「おれ？」
首を傾げるその仕草はわざとかよってくらいかわいい。薮くんが横でうわあとか言っていて、笑いそうになる。まあわざとでもかわいいって思っちゃうんだけどね。
「俺はたかきとごはん行ってあげてもいいよ」
「あ、誘おうと思ってたの分かった？」
「たかきの顔見たらすぐ分かるから」
ふふっと笑った彼から、またいい香りが広がった。
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ruki(プロフ) - chocoさん» chocoさん、コメントありがとうございます！そんな風に言って頂けてとっても嬉しいです☺️本当にお花が見えたら2人ともずっときれいな花を咲かせて、周りに飛ばしてるかもしれません笑 まだもう少し続くので良かったらお付き合いくださいませ🥰 (7月6日 18時) (
レス) id: aad90071ba (このIDを非表示/違反報告)
choco(プロフ) - このお話めちゃくちゃ好きです🫶�睫擇気鵑頬�められてブワッて花が咲く所で伊野尾さんがどんな顔するのか目に浮かんじゃいました！その後お花萎えちゃうのに何でもない顔する所も。これからたかいのを見たら見えないお花が見えてきそうです。 (7月6日 5時) (レス) id: a8ac698638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruki | 作成日時：2023年5月15日 12時
