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まるで身体中が心臓になったみたいだ。どくんどくんと音がしそうな気がする。恋なんて初めてではないのに。意識してから触れようとするとこんなにも緊張するものだったっけ？ いや、ここまでドキドキしたことなんてない。なんだこれ。
もしも避けられたらどうしようとか考えが巡るけれど、その時はその時だ。そりゃあそうされたらショックだ。でもそんなことないって分かってる。きっと、多分、伊野尾くんと俺の気持ちは同じだから。
徐々に距離が縮まってゆく。俺の手が彼の頬に触れると、伊野尾くんの白くて綺麗な肌がもっと赤くなった。あたたかくてふわふわで、もちもちしていて気持ちいい。ずっとさわっていたくなる。
「……なに」
ちらりと見つめて来るその表情はただでさえかわいいのに、さらにかわいくて、それは俺がそうさせているんだと思うと何ともたまらない気持ちになった。美しい花は咲き乱れて満開だ。いくつもいくつも咲いている。青かった花の色はますます紫に近くなっていて、もしかするといつか全てが紫になるのかもしれない。
「ん？ なんとなく、触りたくなった」
むにむに、とつまんでも手を振り払うことはせずに、そのままにさせてくれる。けれど恥ずかしくなったのか視線だけはこちらからすっと逸らされる。ずっとこっちを見ていてくれたらいいのに。覗き込むと「もう、まじでなんなんだよ」なんて言いながらも嬉しそうにしてくれている。片頬だけじゃなくて手を伸ばしてもう片側の頬にも触れて、そっと撫でたら上目遣いで俺のことを見て来て、思わず抱き締めそうになったから、これ以上はぐっと我慢した。
「さらっとそういうこと言うのやめろよ。おまえにそんなことされたり言われたりしたら勘違いするやつ絶対いるから。まあ俺だったからよかったけど」
「伊野尾くんならいいんだ？」
「だってちゃんと分かってるから」
「分かってる？」
「�睫擇浪燭箸盪廚辰討覆ち蠎蠅砲呂靴覆い世蹇�
きゅっと服の裾を掴まれて、ああ、やっぱり勘違いじゃなかったってホッとする。思い、思われて心地いい。俺が考えていた花の意味は間違いではなかったんだって。
きれいで、かわいくて、美しくて、芯があって。とてもいい匂いがする。花自体が伊野尾くんそのものを表してるんだななんて思う。
腕時計を確認したらそろそろ戻らなくてはならない時間が迫っている。まだもう少しだけふたりきりでいたい。あと少しだけでもいいからこのままでいられたらいいのに。
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ruki(プロフ) - chocoさん» chocoさん、コメントありがとうございます！そんな風に言って頂けてとっても嬉しいです☺️本当にお花が見えたら2人ともずっときれいな花を咲かせて、周りに飛ばしてるかもしれません笑 まだもう少し続くので良かったらお付き合いくださいませ🥰 (7月6日 18時) (
レス) id: aad90071ba (このIDを非表示/違反報告)
choco(プロフ) - このお話めちゃくちゃ好きです🫶�睫擇気鵑頬�められてブワッて花が咲く所で伊野尾さんがどんな顔するのか目に浮かんじゃいました！その後お花萎えちゃうのに何でもない顔する所も。これからたかいのを見たら見えないお花が見えてきそうです。 (7月6日 5時) (レス) id: a8ac698638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ruki | 作成日時：2023年5月15日 12時
