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16 - Ruki ページ16

瑠姫side



気を遣ってくれたらしいAのおかげで、美桜と2人きりになる。
この期に及んで、Aもここにいてほしかった、なんて考えている俺はクズだな、と我ながら思う。
Aの気持ちは随分前から知ってるくせに。


瑠姫「ちょっと座って話そう」
美桜「…うん」


すぐそこにあったベンチに腰掛ける。
空気が重い。当たり前だけど。
無言のままの美桜に、俺は目を合わせることなく話しかけた。


瑠姫「あの時は、どうしようもないくらいショックだったし、ムカついたし、すごく悩んだ」
美桜「……」
瑠姫「正直どうすればいいのかわからなかったよ」


突然目の前が真っ暗になって、何も見えなくなったあの時。
美桜を探して回ったあの日を思い出す。
そんな中で見つけた美桜と、俺が知らない美桜の笑顔。
久しぶりに会ったAと、Aが俺を心配する顔。
2人の顔が思い浮かぶ。


瑠姫「でももう俺は大丈夫だから。もうこうやって、引き留めたり話しかけたりしない」
美桜「それは……彼女が?」
瑠姫「あの子は恋人じゃない。これから先もきっと。けど、間違いなく俺を救ってくれたのはあの子だよ」
美桜「そっか」


安心したような顔で静かに微笑む美桜。
笑い方まで変わっちゃったんだな。
俺の好きだったあの笑顔は、もうない。
よかった、おかげで未練も後腐れもなく言えるよ。


瑠姫「美桜、結婚おめでとう」


俺はそれだけ告げてその場を離れた。
俺が今いちばん会いたい人に会うために。

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さぎり(プロフ) - 途中でMad In Loveの歌詞入れてるのが最高すぎました主様天才です🥹🩷 (5月3日 12時) (レス) @page21 id: 1e7facddf3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新再開嬉しいです!これからも楽しみにしてます☺️ (10月27日 23時) (レス) @page10 id: 3db943dc83 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクサクパンダ | 作成日時:2023年9月27日 16時

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