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瑠姫の前の席に座った私の中には、もうすでに居た堪れなくて帰りたいという思いがあった。
どうして一緒に行くなんて言ってしまったんだろう。
こうなることはわかっていたはずなのに。
瑠姫「久しぶりに来た」
A「そうなんだ」
瑠姫「うん。この雰囲気が好きだったんだ」
瑠姫が自分のことを話すなんて珍しい。
まあでもきっと瑠姫も、そうでもしてなきゃここに居難いんだろうなということはわかる。
だから私も、メニュー表を見ながら、黙ってその話を聞いた。
瑠姫「初めて彼女に出会ったのは、4月だったかな。初めてこのカフェに来た日でさ。外の桜がものすごく綺麗だったんだ」
A「……」
瑠姫「彼女の名前を聞いた時、運命だと思った」
美しい桜、と書いて" 美桜(ミオ) "。
本当に美しくて、綺麗だと思ったんだ、って。
その時のことを懐古しているのか、瑠姫の顔はどことなく嬉しそうで、幸せそうで。
私はこれ以上見ていることができずに、外を見るふりをして瑠姫から目を逸らした。
そらした目線の先には大きくて立派な桜の木があった。
あれが、瑠姫の言っていた桜の木だろう。
今はすっかり葉も落ちて、残っているのは枝だけだった。
瑠姫「ごめん。こんなところに連れてきて」
A「ううん、私が言ったことだし」
瑠姫「……ありがとう。もう少しだけ、あと少しでいいから、時間が欲しい」
A「……うん、いいよ」
瑠姫が自分のことを話すのも、私に頼み事をすることも珍しい。
今日だけは、瑠姫の言うことに付き合ってあげようって決めていたから。
せめて今日くらい、何でも言ってよ。
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さぎり(プロフ) - 途中でMad In Loveの歌詞入れてるのが最高すぎました主様天才です🥹🩷 (5月3日 12時) (
レス) @page21 id: 1e7facddf3 (このIDを非表示/違反報告)
さ(プロフ) - 更新再開嬉しいです！これからも楽しみにしてます☺️ (10月27日 23時) (レス) @page10 id: 3db943dc83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｻｸｻｸﾊﾟﾝﾀﾞ | 作成日時：2023年9月27日 16時
