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回想
A「伊勢崎くん、ご飯できたよ」
夕飯を準備を終え、伊勢崎くんを呼びに行く。
「………」
部屋の扉をノックしても返事が無い。
A「伊勢崎くん、開けるよ?」
扉を開けると車椅子から落ちて倒れているトオルを発見した。
A「ちょっと〜、また落ちたの?気をつけてよ」
倒れているトオルに駆け寄り、身体を起こすのを手伝おうとした。
トオル「自分で起きるから……」
A「まだ、無理だよ。先生も言ってたし、ゆっくりリハビリすればいいから」
幸い私は、170cmの長身で、そこそこ力もある。
転んだ状態から起こし、自分の身体に伊勢崎くんの体重を預ける体勢で立ち上がり、車椅子へと座らせた。
A「早くしないと、ご飯冷めちゃうよ」
そう言いながら、リビングへと車椅子を押した。
トオル「辛くないのか?」
A「何が?」
トオル「俺がこんな身体で、面倒見るのは辛くないのか?」
A「そういう時は、ありがとうって言ってよね」
辛いよ…。
体力的な面もあるし、精神的にもキツイ。
一番辛い事は、そんな伊勢崎くんの気持ちに寄り添えない事が何よりも辛い。
辛いけど、伊勢崎くんとの生活を望んだのは私だから。
好きな人と一緒に居る幸せの方がずっと大きい。
トオル「……あ、ありがとう」
伊勢崎くんは、戸惑いながらそう言った。
私は、いつもその一言に救われ、伊勢崎くんの事がもっと好きになる。
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ルカ(プロフ) - *夏那*さん» 読んでいただきありがとうございます♪更新しました。また、いらしてください(*^^*) (2015年4月29日 19時) (レス) id: 526afb0711 (このIDを非表示/違反報告)
*夏那* - 面白いです♪ (\・ω・/ 更新頑張ってください!! 楽しみにしてま〜す← (*´ ε `* (2015年4月26日 8時) (レス) id: 5d49457090 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋色ユイコ | 作成日時:2015年4月5日 17時