【ミカグラ学園組曲】救って下さい。

[日頃。] ページ6

「!?!」

Aは湊川先輩の植物を紙一重で避けると、たた…と壁を走る。
…おそろしい程の身体能力の高さに少し身震いしたが、私は急いで体勢を変えて声を上げる。

「ひみちゃあぁあぁんん!!!」


「っやあああぁああぁあぁ!!!!!」


声を出しながら、ひみちゃんはラブリーインクを発動させると、とんでもない数の駒が出てきて。

「ッ……!」

隠れているえのやん先輩まで、目を開けてられないほどの突風も吹いてくる。

…これならAちゃんも、怯えてお話をしてくれるかな…。
っていうか、こんなことしてるのに聞いてっていうほうがおかしいけどね。

＿＿＿＿もくもくと砂埃が上がるなか、Aちゃんがいた場所に人影はなくて。

…!?!え…?ちょ…は……?







「…………嘘つき。嘘つき嘘つき嘘嘘嘘嘘ばっかじゃんッ!!!」







「ッひ……!?!」

Aの涙を含んだ声が聞こえてくる方向へと体を向けると、赤間君がAの鎌に首元を当てられていて。

あと一歩で…致命傷になりかねない事になっている。危ない…!!

私は作戦がまったくもって上手くいっていない事を感じながら、Aに歩みよる。

「A…とりあえず、赤間く____。」


「何で…?何で何で何で!?!何で皆、私を【裏切るの】!?おかしいよ!!
私、何にもしてないのに!!?ねぇねぇねえねえねえ!!!」


………駄目だ。説得しようにも、パニックを起こしているからどうにもできない。

"A…私裏切ってなんかないよ…。私はただ救いたいだけなのに…何で…!!

…確かにAを、こうして能力で追い詰めたのは悪かったよ。
でもそうじゃないと、とてもじゃないけど【話なんかしてくれない】じゃん…。

皆を呼んだのはそれもあるけど、一番は皆と一緒に救いたいんだよ…!!この中には[Aに被害を与えられた人]だっているんだから。"

そう言いたいのに、言葉がつまる。視界が滲む。私もどうしようもないほど、無力だった。


＿＿＿＿その時、Aの【変化】に気づいたのは赤間君が一番初めだったようで。


赤間くんがAを見て、怪訝そうに眉をひそめた瞬間。





「ッぅ"あああ"あぁああぁあぁあ"あああ!!!!!!!!!」

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