ダイヤモンドリリー。[2]【リヴァイ】 (ページ31)

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友人の態度、その気持ち。ページ31

「敬称も敬語も今更だろうが、いきなり変えてくるな気色悪ぃ。」

「…ああ、それで怒ってたの、って気色悪いは言い過ぎよ、普通なら私はリヴァイを敬わないといけない立場なのに。」

「敬う？お前が俺を？…それこそ気色悪ぃな。」

「……煩い、リヴァイ。」

私が誰かを敬うのは気色悪いの部類に入るのか。本来ならエルヴィンは勿論、その次に権力のあるリヴァイを敬わなければならない。だけど私は出会った当初からこんな感じだ、確かにリヴァイの言うように今更リヴァイ兵長…だなんて呼べない。否、呼びたくない。

少し冷めてしまった紅茶を口に含んで考えていた、その時。

コンコン、というノック音と、

「リヴァイ兵長、ペトラです。」

「……入れ。」

ペトラの鈴のような声が聞こえた。

「兵長、もし良ければ紅茶をお淹れしましょ……う……か。」

笑顔のまま固まるペトラ、何故か私を見て。

「…ペトラ？どうかしたの？」

首を傾げてそう言えばペトラは我に返ったようにして首を横に振り、「なんでもない！」と笑顔で答える。…その笑顔がぎこちなかったのは私の勘違い…では無い気がする。

私だってそこまで疎い訳じゃない、何故かペトラは私を視界に移した途端、表情が曇る。嫌われているのだろうか、友達がいたことの無い私にとってペトラの気持ちが全く分からない。

「ペトラ、紅茶を頼む、いつも悪いな。」

「え、あ、はい！えっと、ルイもいる？」

「あ、うん、お願い、有難う。」

「はーい！じゃあ待っててね！」

ガチャり、と閉まった扉。再び襲う静粛。

「…ペトラの事は気にするな。」

「え？」

その時、リヴァイの低い声が落ちる。まさか、ペトラの話題になるとは思ってもおらず私の口からは間抜けな声が出た。リヴァイはペトラの出ていった扉を眺めた後、目を細めて私を見る。

「手が止まってる、動かせ。」

「……了解。」

それ以上の事は話してくれそうにないので言われた通りに手を動かした。

暫くして、ペトラが紅茶を持ってきてくれて、お礼を言った。どういたしまして、と微笑んだペトラはもういつものペトラで。内心安堵すると同時にまたもや私を襲う違和感、だが考えるのも面倒臭いと今は目の前の執務に没頭した。