現実は小説よりも奇なり【d!】 (ページ4)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:6,673 hit

2話ページ4

目の前で倒れている人

いや…………

人だった(・・・)ものから赤い液体が地面に広がっていく

『…………………』

それは紛れもない【死】だ

今私の前に【死】がある

？「そこで何しとるんや？」

その言葉にハッとし、目の前の【死】から視線をずらす

そこには何人かの男性がいた

全員黒めのスーツなどを着ていていかにも『裏社会の住人』という雰囲気だ

？「質問に答えろ、そこで何しとった」

おそらくさっきの声はこの人だろう

黒髪の七三わけに、少し隈がある赤い目のメガネをかけた男が私に鋭い視線を向ける

『(ここに居れば殺される)』

そう思った私はその場から逃げ出そうと

足を動かそうとした

………が

ｸﾞﾗｯ

『……っ！？まずっ！？』

運が悪いことに足がもつれてしまった

ﾋｭﾝｯ

倒れる拍子に何かが空気を切る音がした

ﾄﾞｻｯ

『いった………』

さっきの音はいったい……？

視線を上に上げると緑色のフードを被った人が私を見下ろしていた

その手にはナイフが握られており、さっきの音はそのナイフから出たものだと理解する

？「お前運がええなぁ？完璧に首狙ったと思ったのにうまいこと躱されてもうたわぁ～」

そう楽しげに言う目の前の人物に恐怖を感じる

もし足がもつれて倒れていなければ自分は今頃………

想像すれば自分の喉からは『ﾋｭｯ』と情けない音が出た

自分は今から殺されるのだと嫌でも理解してしまう