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「ゆっこ、今日は一緒に帰らない？」
さようならの挨拶を終え素早く帰る用意をした私はゆっこの元に駆け寄る。
ゆっこの机にまだ教科書も筆箱も広がっていた。
「大野先輩は？」
「補習だって」
「大野先輩って勉強苦手なんだね」
「やればできるけどやらないだけなの、先輩は」
だって他のことは何でもできるもん。
運動だってできるし、絵も上手だもん。
ゆっこは「はいはい」とうんざりしたように相槌を打った。
「でもごめんね今日は」
「えっ、なんで。あ、もしかして……」
見当はついた。
お昼ご飯の時だってそうだった。
「そう！相葉先輩と帰るから！」
ゆっこは嬉しそうな顔でそう言って、帰る支度をテキパキとしだす。
「え、付き合ってるの？」
「やだなぁ。まだだよ」
「好き、なの？」
「もうやめてって」
ゆっこは顔を赤くして私の肩を叩く。思いのほか痛かった。
好き、なんだ。
ゆっこは言葉にしなかったけれど顔がそう言っていた。
恋する女の子の顔だった。
まさかゆっこが相葉先輩を……。
でこぼこだったゆっこと相葉先輩の後姿を思い出して少し笑いそうになった。
でも相葉先輩は優しい。
見た目はあんなのだけど、とても素敵な人。
大野先輩の親友だもん、そうに決まっている。
「お似合いだと思うよ」
その言葉にはなんの嘘もない。
ゆっこは「やめてよ」と照れていた。
「じゃあね」そう言ってゆっこは跳ねるように教室を出て行った。
嬉しい気持ちともう半分、一人で帰らなくちゃいけないという寂しい気持ちが私の中にあった。
寄り道して帰ろうかな、一人の帰り道を少しでも楽しくしたいし
そんなことを考えていたら、後ろからリュックをグイっと引っ張られ思わずこけそうになった。
振り向くと
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「一緒に帰ろ」
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佐伯くんがいた。
「やだ」
私はリュックを大きく動かして佐伯くんの手を払って早歩きする。
でも佐伯くんは追いかけてきた。
「なんで一緒に帰ってくれないの」
「…周りからジロジロ見られるのが嫌だから」
「彼氏とは一緒に帰るのに？」
「先輩は別だから」
「じゃあ俺も別にしてよ」
「やだ」
昼休みみたいに逃げ回るのは嫌。
それに、やっぱり何だか後ろめたい。
それなのに私には拒否権がないみたいに佐伯くんは変わらず追ってくる。
気づけばもう、私の家のそばだった。
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流花(プロフ) - keiさん» 初めまして！どちらも読んでいただけてるんですね、ありがとうございます(；；)とても嬉しいです！ 私も青色寄りなのですが黄色さんも大好きで(o´艸`) これからの展開どうなっていくか楽しみにしていただけると幸いです(*´∀｀) これからもよろしくお願いします！ (2020年5月18日 11時) (
レス) id: ec6c78779c (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 初めまして。お話とっても楽しみにしてます。もうひとつの方も！青坦ですが黄色さんも好きです (2020年5月17日 1時) (レス) id: b8ead91f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流花 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/uratsuku_ruka
作成日時：2020年5月5日 16時
