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大野先輩が補習授業で、久しぶりに1人で登校した今日の朝。
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「櫻井さん、彼氏いたんだね」
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下駄箱の所で声をかけられた。
顔を見なくてもそれが誰だか、声だけで分かった。
佐伯くんだ。
聞こえないふりをして私は1人教室に向かう。
「待ってよ」声をかけられたけれど、私は返事をしなかった。
ヘラヘラしてる佐伯くんが何だかムカつくから。
｢無視しないでよ｣と言われ、「私に声かけてたんだ」と私はやっと返事をする。無愛想に。
｢櫻井さんは櫻井さんしかいないでしょ｣と佐伯くんは笑った。
露骨に嫌な顔をしても佐伯くんは離れなかった。
クラスが同じだから行先も一緒で、なんだか気まずい。
「ゆっこ、おはよう」
教室に入って、ゆっこに声をかけてから私は素早く席に着いた。
「おはよう」私の席までトコトコと走ってきたゆっこが律儀に返す。
「あれ？ 今日は佐伯くんと登校？」
ゆっこはニヤニヤしながら小声で聞く。
｢やめてよ｣私はウンザリしたように小声で返した。
「たまたまだよ。 今日は大野先輩いなかったから」
「へぇー」
「なんにもないから」
「そうよね。 佐伯くんには後藤エリがいるしね」
ゆっこの視線の先は廊下だった。
そちらを見るより先に「和也せんぱぁい」って甘ったるい声がした。
和也、その名前を聞く度に私は頭の中でその名前を唱えてしまう。
初恋のあの子を思い出してしまう。
｢和也せんぱぁい｣と呼ばれた佐伯くんはとうに後藤エリの元へと行ったと思ったのに、
後ろを見たら平然と席に座ったままだった。
思わずジッと見ていたら、目が合っちゃって、
「なに？」と佐伯くんが、にんまりと笑う。
笑顔まであの子に似ていたから
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「二宮くん」
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私は思わずあの子の名前を呼ぶ。
そしたら、二宮くんじゃないはずの佐伯くんが
「なぁに？｣
と返してきた。
やっぱり二宮くんとそっくりの笑顔だった。
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流花(プロフ) - keiさん» 初めまして！どちらも読んでいただけてるんですね、ありがとうございます(；；)とても嬉しいです！ 私も青色寄りなのですが黄色さんも大好きで(o´艸`) これからの展開どうなっていくか楽しみにしていただけると幸いです(*´∀｀) これからもよろしくお願いします！ (2020年5月18日 11時) (
レス) id: ec6c78779c (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 初めまして。お話とっても楽しみにしてます。もうひとつの方も！青坦ですが黄色さんも好きです (2020年5月17日 1時) (レス) id: b8ead91f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流花 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/uratsuku_ruka
作成日時：2020年5月5日 16時
