銀魂　二ツ名は凍結少女◆貴方は最後に――？

◇１０・悪いのは私なのに ページ11

※白ダイヤのときは、最初のプロローグの場面の続きになります

A｢・・ねぇ覚えてる？あの時、私達はここで【友達】になったよね
でも・・本当は違ったんだ。貴方を信じ込ませるためにそう言ったんだよ｣

土方｢そうか・・でも、俺は嘘でもよかった
好きな女にそう言われたら、誰だって嬉しいと思うだろ？｣

A｢っ――！！動かないで！！！
なによ・・何で私がこんな事を言っているのに・・何で・・｣


怒りもしないで・・そんな優しい顔をしているの・・？

私は貴方を裏切ったんだよ？今、殺そうとしているんだよ？

なのに・・何で？貴方ほどの人なら、私なんかを簡単に殺せるはずなのに


A｢ねぇ何で？何で・・私に何もしないの？
何で・・そんな優しい顔をしているの？何で・・｣

土方｢好きだからだよ・・どんなになっても、俺が好きなのはお前だけだ
俺はな？女を傷つけたくねェんだ、ましてや惚れた女は特に傷つけたくない｣

A｢・・ふざけるな！！！私は最初から
お前なんか好きじゃなかった！！今までのは全部芝居、わかる！？｣

土方｢じゃあ聞くけどよ・・芝居なら何でお前は泣いている？
何で早く俺を殺さないんだよ？お前は・・｣


黙れ！！と、震える声を張り上げ言う

殺せるわけない・・本当はこんな事したくないんだよ？

私はトシを嫌いなんかじゃない。今でも・・大好き。でも・・！！


A｢私だってこんな事したくない・・したくないよぉ・・！！
でも、これは命令なの。私は高杉様に仕える身・・命令は絶対なの｣

土方｢・・・｣

A｢本当は大好きだよトシ。私ね？友達になれた時・・すごく嬉しかった
あのお祭りの日に、初めて遊べて楽しかった・・｣


私は銃を構えたまま、トシの元へ歩み寄る

トシは後ずさりもせず、ただ私の方を見ている


A｢私達・・何が違っていたら普通に付き合えたのかな？
何が違っていたら・・こんな事にならなかったのかな｣

土方｢もう何も考えるな・・お前が辛そうな顔をしてるのは・・見たくねェ
もう何をしたって俺達は、戻れねェんだよ｣


涙がとめどなく溢れてくる。自分では止められないくらい

嫌だよ・・悪い事をしたのは全て私なのに

裏切ったのも私なのに何で・・何でよ・・！

――夏に私があんな事をしなければ、こんな事にならなかったのに

夏◆１１・今日も、桜の木の下で彼を待つ→←春◆９・友達関係

ラッキーアイテム

革ベルト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す