「Bitter emotions and gear」[O] ページ21
「…大丈夫なんですか?」
すると彼女は曖昧に頷きながら、残りのストラップを抱えた。
「はい!!まさか戻ってくるとは思って無くてですね、この前、一人の方にあげてしまって…。
もう二度と帰ってくることはないでしょうし。だからいいんです。」
彼女はそういうと、右手に握っていたストラップを俺の手のひらに落す。
俺はありがとうございます、と一言告げた。
「いえいえッ!こちらこそ届けてくれてありがとうございました!!」
そう深く礼を言う彼女。
だが突然、彼女はバッと顔をあげ、マジマジと俺の顔を見だす。
「ッ………!!」
彼女の顔との距離が僅か数cm。
俺が顔を少し動かすだけで、彼女の柔らかそうな頬や唇に、俺の肌が触れてしまう。
『今すぐ彼女の唇を貪りたい。』
『ぬるりと舌を入れて、口内をぐちゃぐちゃにしたい。』
『俺の唾液と彼女の唾液が混ざりあって、どっちか分からないぐらいにしたい。』
『俺の中の成分を彼女に託したい。』
そんな汚い欲望を堪えていると、彼女は俺から顔を離す。
そして首をかしげながら、少しだけ期待に満ちた声で呟いた。
「もしかして、兄弟とかいますか?」
_________………?
「ぇ…ぁ、あぁ、いるよ。」
いまいち言葉が頭に入って来ずに、曖昧な返事を返す。
『…………………兄弟?』
眉をひそめていく俺に天使は気がついたようで、慌てて首をふる。
「ああぁあぁ!!別に変な意味はありません!!すいませんでした!!」
そして、パシン!!と手を叩くと、顔を満面の笑みに変えて言う。
「あのですね!!!前にこのストラップをあげた方が貴方に凄く似ていてですね!?!もしかしたら、ご兄弟さんかなぁって!!」
_________ど、くり。
心の中で、"何か"が音をたてて浮き上がってきた。
それはあっという間に俺の心を満たし、激しく黒く染まっていく。
「………、」
なんだこれ。
『苦くて苦くてたまらねぇ。』
こんなにも甘い彼女がいるというのに。
駄目だ。彼女の"甘い"のとこの"苦い"のが、混ざりあって何が何だか分からない。
分からないけど、とても苦い。
苦くて苦くて…吐きそうだった。
「ぁ、あの!?大丈夫ですか!?すっごく顔色悪いですよ!?!あ…ああぁあの店に入りましょう!!いきましょう!!」
_________ぐるぐるぐると歯車は廻る。
_________勢いよく廻っていく。
_________ぐるぐるぐるぐる。
_________ただそれが、幸福の方向か不幸の方向か。
_________誰も分からない。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
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LUCA - 最高すぎますよ!!何度も見返してます!!どうしてくれるんですか!!大好きです← (2018年1月19日 23時) (レス) id: 09c9350497 (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - ものすごく最高です!神作品です!とても楽しませてもらいました!大好きです!! (2017年10月20日 18時) (レス) id: 11d9b49515 (このIDを非表示/違反報告)
林檎麻(プロフ) - 夏見さん» ありがとうございます!!チョロ松は、まともで勇敢ですね!!(笑) (2016年8月12日 23時) (レス) id: 6ae5345221 (このIDを非表示/違反報告)
夏見 - チョロ松格好いい!w (2016年8月12日 13時) (レス) id: 57320f2ce7 (このIDを非表示/違反報告)
林檎麻(プロフ) - \(*ω*)/松←さん» いやあぁああぁありがとうございます!!まさか夢主ちゃんの事について触れられるなんて…!!吃驚と感謝です…!!応援ありがとうございます!! (2016年7月27日 22時) (レス) id: 6ae5345221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:林檎麻
作成日時:2016年6月8日 23時