ボクとキミを繋ぐ伸縮性の白い白い帯と赤いウソ。 ページ39
*麗奈さんリク
ちょきん、と小気味よい音を立てて、包帯をハサミで切る。
そしてピンで止めて…つぅ、と無意識にキミの細い腕をなぞれば、僅かに顔を痛みに歪めるキミ。
「あっ…わっ……ご…ごごごごめん!!!大丈夫…??い…痛くなかった…??」
「ちょー痛いに決まってるでしょ〜!!」
「ぅう…ぁ……ご…ごめん…なさい…一生かけて償うよぉ…」
「あははー!!冗談冗談!!!気にしないで!!」
くすくすと楽しそうに笑うAさん。
その顔は本当に楽しそうで…ついさっきまで"自 傷行為"を行なっていた人物とは思えなかった。
『…ああ…なんで……なんでAさんは…自分を傷つけるのだろう…か…』
いや…理由もわかるのだけれど。
彼女は自分自身が酷く嫌いらしい。みんなから愛されているのに。
だけどそれは…彼女曰く、いまいち人間味に欠けるようなのだ。
だから嫌いらしい。だから…そんな自分を傷つけるために、カッターやナイフで自分を傷つけるらしい。
そんな光景を、随分前に目撃して…気づいたら手当をしていた。
多分その時、初めてボクらは会話をしたんだと思う。
ボクは…Aさんに憧れを抱いていて。だけどAさんはいつも周りに人がいるから。
だから……だから今この時間が、唯一Aさんとボクを繋ぐ…動機で。
「…ねえ、狛枝くんってさ」
俯いてぼんやりと考えていると、Aさんがにこにこしながら話しかけてくれて。
慌てて顔をあげて、どうしたの?と聞けば楽しそうに口元を歪めて言葉を紡ぐ。
「狛枝くんって…私のこの行為を"やめろ"って一言も言わないよね」
声をあげるのを必死に我慢した。
どうしよう…どうしようどうしようどうしようどう、しよう…??
バレた…??Aさんとボクを繋ぐ唯一の時間を無くしたくないから、言わないっていう気持ちが…ば…バレた…??
ドキドキと心拍数があがる。どうしようもなく視線が定まらなかった。
「どうしてかなぁ…。まぁやめろって言われても続けちゃう気持ちを理解しているのかなぁ…?……それとも…」
じっとAさんは、下から覗き込むようにボクを見た。
青い顔で冷や汗が止まらないボクを…穴が開くほどじっと見る。
『…どうか…どうかっ……!!!』
「なーんてね!!大丈夫大丈夫!!」
明るく言うAさんに、ボクはほっと胸をなで下ろした。
そしてもう一度、怪我の調子を聞こうとしたボクに…Aさんは満面の笑みで口を開いた。
「
夕日が差し込む教室にぴたりと重なる影はどこか陰鬱さを感じた。→←被害妄想に囚われた少年は病的なまでに満たされた愛を求めて。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ルイ(プロフ) - ヤンデレが好きすぎるし百合も最高すぎ…更新待ってます♡ (6月23日 19時) (
レス) @page42 id: 698f550929 (このIDを非表示/違反報告)
コグロ(プロフ) - いつまでもずっと大好きな作品です！こんなに素晴らしい作品を作ってくださり、ありがとうございます！ (2023年4月12日 23時) (レス) @page42 id: dc08efcfd6 (このIDを非表示/違反報告)
Niko - いつも楽しく見させて頂いています！リクエストなんですが日向くんとのR18が見たいです！ (2023年2月26日 23時) (レス) @page42 id: f74057ae4d (このIDを非表示/違反報告)
ユマ(プロフ) - ｢この小説のサブタイトルに"兄妹"って書いてあると、大体天海兄妹説｣を推す。(なんだそれ) 陰キャ原VS王馬めっちゃおもしろいですw (2022年7月19日 1時) (レス) @page42 id: 1d2636ba23 (このIDを非表示/違反報告)
チロル - めっちゃ面白いです。できれば苗木くんが病んでる夢と、カムクラくんの夢もっと欲しいです‼︎そしてできれば皆にはもっと病んで欲しいですね〜(//∇//) (2021年12月2日 18時) (レス) id: ebe0dca163 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林檎麻
作成日時：2019年7月15日 2時
