妹に疎まれている。【伊弉冉一二三】

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「はぁあぁ……」


あのクレープ大事件からも、飴村乱数に数え切れないほどの邪魔をされた俺。

最終的には、Aちゃんの腕にぎゅっ♡と、うんざりするレベルでくっつき出したし。


彼氏か。…許さないぞ。絶対に許さないからな。


今は…次はどこに行こうか!と飴村乱数が話している横を、俺が歩いている状態で。


『っ…っていうかAちゃんと…きょ…距離近すぎだろっ…!!!』


あれ絶対…あ…当たってるだろ……クソ羨ましい(ふざけんな)…!!!


「…ちょ…っ…アンタそろそろ離れてよね…!!いい加減暑いし、ウザいんだけど…!!」

「うえーんっ!!前から思ってたんだけどっ、Aちゃんってボクにあたり強くない?!!」


あーあ…ホントはAちゃんの横には俺がいるはずだったのになぁ…。

二人きりの買い物は何も今回が初めて、っていうわけでもないけど…でもあんまり出来ないもんだし。

だから…ちょっとどころか、かなり悔しい。イライラする。




「…あっ……あ、ああああーーーーーっ!!!!乱数っ!!!お前やっと…!!!ゲンタロー!!見つかったぞー!!」




俺は本日何回目かわからないため息をこぼそうとしたところ、急に見知った声が聞こえて。


『…こ…この声ってまさか…』


苦い顔で顔をあげれば…渋谷の有栖川帝統がこちらを指さして、誰かを呼んでいた。


「ちょっと…帝統…うるさいです。ここは公共の場なんですから、もう少し自重しなさい……って、ホントですね」


するとちょっとだけ疲れた様子の夢野幻太郎が、頭を抱えながらふらりと現れて。


『…ここ、渋谷じゃなくて新宿だよな…?』


え…?なんでここにいるの…??


すると、夢野幻太郎が乱数の頭をいきなり、ぱちんっ!!と叩いて…怒ったような口調で話し始めた。


「…乱数。貴方今までどこに居たんですか?何してるんですか、こんなところで」

「っ痛!?なにすんの幻太郎ー!!」

「質問に答えなさい」

「うう……何してるも何も…Aちゃんとお買い物デートしてただけだけどぉ…?」


どうやら俺は今日完全に居ない者だと思われたみたいだ。


「はぁぁ?!!!乱数お前ー!!今日一緒にゲンタローん家で一緒にギャンブルするっていったろ?!!」

「…あれー?そうだっけ?でも電話した時二人とも今日忙しいって」

「それは一昨日の記憶だ!!」


…?ってことは…。


『…今日飴村乱数はAちゃんと一緒に遊びたいがために…ここまで来たってことか…?』



恐る恐る飴村乱数を見れば、それは恐ろしいほどの笑顔を浮かべて、ごめんね♡♡と謝った。

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