妹に疎まれている。【伊弉冉一二三】

両立デート/飴村乱数+??? ページ44

「ふ、あぁあ…」


馬鹿みたいに冷えてきた冷たい風を頬で感じながら、ピンク色のマフラーに顔を埋めたボク。


今は祝日の朝9時。

オネーサン達と遊びたいのに…まだ朝にはちょっと早いのか、はたまた皆どこかに出かけているのか。

全然見当たらない上に、帝統と幻太郎もそれぞれギャンブルや執筆活動で忙しいらしい。


『…ってギャンブルって別に仕事じゃないじゃん!!うわっ引き止めて、一緒に遊べば良かった!!』


惜しいことをした。悔しい。


ブツブツと小さく文句を言いながら、ふと目の前の公園の街灯下に目を向けた。


「あっ」


ボクと同じピンク色の髪。おしゃれな服。可愛い顔。

いつかぶりの一二三の妹のAちゃんがそこにいて。



「っAっっちゃーんっっっ!!!!!」



気づけば、Aちゃんに向けて全速力でジャンプして…ハグをしていた。


『うーん!!!♡♡あったかーい!!!』


「っ?!!?っあ、飴村乱数!!?なっ…なんでこんな所に…!!っちょ…はっ…離れて!!ウザイんだけど!!」

「たまたま新宿に来ただけだよー!ふふー!もぉーっとくっついて欲しいのー??素直だねー!じゃあ、ぎゅーっ!!」

「あー!!うっざーー!!!」


困惑気味のAちゃんをさらに強く抱き締めれば、左馬刻を抱きしめた時と同じような反応をされた。しくしく…。


「Aちゃんはここで何してたの??」


Aちゃんのもこもこのコートに頬づりしながら、そう聞くとちらりと一瞥されて…ぽつりと呟かれる。


「なにって…独歩さんと待ち合わせて買い物しようとしてるんだけど…」


『独歩…?観音寺…?』


えっ…Aちゃんとあの根暗社ち…もとい、独歩って知り合いなの?!!!嘘だ!!!


…い…いやでも、よくよく考えればAちゃんは一二三の妹なわけだし…知っててもおかしくないか…。


「へー!!そうなんだ!!☆」


知り合い…か。

なんだかすごい関係性な気がするのは、ボクだけなのだろうか。

独歩って絶対Aちゃんが人生最大の癒し要因でしょ。

Aちゃんと話すだけで浄化されるぐらいの気持ちでしょ。


うーん。やっばいね!!!


「ねぇねぇAちゃん!その買い物にボクも行っていいよね!!!」

「…おっかしいね?最後が?マークじゃなくて、言い切ったよね今」


Aちゃんは困ったような顔のまま、ボクの髪を弄った。

…Aちゃん個人としてはいいみたい?そんなことないかな?


っていうかAちゃんの手がさっきから、ほっぺとかおでこに触れていろいろ…辛いんですけど。



「Aちゃ…っ!お…おまたせっ…っって、おっ…お前は…!!!!」

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