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「ジョゼフに挨拶をしていただろ。」
妄言を吐く必要もないので、素直にうんと頷く。
「ジョゼフは格好いいな。」
急にナワーブさんの雰囲気が変わった。焦ってる?
頬はほんのり紅く染まり、目線は宙を舞っている。
冷静なナワーブさんは何処へ…。
「美しい…よね。ジョゼフさん。」
相手の様子をそっと窺う。
「む……。」
何故か納得いかないようだ。
それだけの会話で二人は押し黙った。
「じゃあ、また挨拶行かなきゃだし。」
「引き止めて悪かった。」
なんだろう、この名残惜しさ。
ナワーブside
自分の気持ちをこれでもかと言うほど見透かしてくるエミリーに、
「俺はAが好きなのか?」
と聞いた。
いきなりの事で驚いたのか、持っていた注射器をそのまま手放した。
硝子の割れる音がして、周りのサバイバー達は一斉に此方に注目。
「はぁ、貴方ねぇ…いい加減自分を理解して__。」
エミリーは呆れ笑いを顔に浮かべ、散らばった硝子片を集め始めた。
「…ま、此処で言うのは気が引けるわよね。場所を変えましょう。」
ほかのサバイバー達は察して、再び喋り声をあげた。
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作者名:焼きイワシ | 作成日時:2018年10月3日 0時