生者の僕は獄卒の皆さんに出会うようです【獄都事変】

11.『夢の中の僕』 ページ13

少年が目を覚ますと、そこは無色が広がった世界だった。何故ここに来たのか分からず、先程の事を思い出す

自分は先程まで、木舌という男の肩を借り、眠っていたのだ。それがなぜここに来るのかも分からない

？？「やぁ、目、覚めた？」

後ろから声がし、慌てて後ろを振り向くと小さな少年が居た

？？「そう警戒しなくて良いよ。僕は未来だよ」

淡々と話す少年に対し、警戒心など溶けるはずもなく

未来「ここは君の夢の中。まぁ、夢の中って言っても君が作り出したんだけどね」

訳のわからないことを言っている未来に対し、少年はただ無言で聞いていた

未来「……君は、まだ思い出せないのかな。ここに来た理由を」

未来と名乗った少年はうつ向いたので顔など分かるはずもなく。ただ、しいて言えば未来の声は子供だった自分の頃の声によく似ている事だけだった

未来「君って、本当にバカだよね。あの石なんか触らなければ、君は……ｰｰｰｰ」

最後の部分は小さな声だったので聞こえずらかったが、「あの石」とは、昔、お婆ちゃんが触ったらダメと言っていたあの石だろうか

未来「まぁ、早く思い出してよ。じゃなきゃ君は_____」

そこまで言われ、手を振られると光が急に出て、おもわず目を手でおう。未来は笑いながらも手を振ったままだった

未来「あの世から、居なくなるよ……！」

最後に聞こえたのは、その一言だけだった________

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