｢ブン太｣次元の狭間〜逆トリップ｢リョーマ｣

君たちとの時間〜9set ページ9

｢あ…トリップなら…｣

｢ん？｣

｢家は？｣

・・・・。

部屋の中は静かになり少年達の表情が次第に変わり、青ざめてゆく。


｢わ、忘れてた…｣

｢コシマエ〜どないするん…？｣

｢越前どうするの？｣

｢どうするんだよぃ…｣

皆の視線は何故だか越前に集まる。

｢ちょっ…俺見られても困るっす;;｣

越前は少女に目で助けを求める。

が、少女は首を横に振る。

｢どこか住む場所ないかな？｣

不二は少女に問う。

｢うーん……ん。ちょっとまって。｣

机にあった携帯を手にとる。

ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ

prrrprrr

『もしもし？A何かあった？』

｢お母さん？あのさ…｣

『んー？何？』

｢今ね？そのっ〜トリップについて説明〜で…どこか、少しの間でもいいの!!住める場所…ないかな？｣

『…。』

｢お願い!!信じられないのはわかる…でも…｣

『…。』

｢お母さん!!お願い…本当なの!!だから…だから…｣

『本当なのね？』

｢へっ？｣

『ふつう、そんなこと言われても信じられないわ。だけどね？A…あなたがそこまで言うことは今まであまりなかった。』
｢…。｣

『だから…私もお父さんもあなたを信じる。流石に家は無理だけれど私が仕事に行くのに楽なように使ってた一室があるでしょう？』

｢うん…アパートの？｣

『そこならとりあえず、私たちがそっちに帰るまではあなたも一緒に…が条件で使っていいわ。』

｢ありがとう…お母さん!!｣

『じゃあ元気にしてるのよ？』

ﾌﾟﾂﾝ

少女が電話を切った。

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