【#コンパス】氷の軍曹姫 (ページ4)

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忠臣side

ゲネラールと月夜叉がいとも容易くやられるとは…。

油断はできぬな、見たところ此奴、中々の強さ…。

『私に楯突いた事、後悔して跪きなさい！』

奴は氷で槍を作り出した。
こんな華奢な女が、大槍を扱えるとは思わないが…

『せいっ！！』

空を斬る音とほぼ同時に、金属のかち合う音がした。

どうにか間に合ったが、一撃が重すぎる！
一体どれほどの鍛錬を積んだのか、底知れぬな。

臣「セェン！！！！！！」

『っ！？随分速いのね…』

臣「負けるわけにはいかぬのだ。」

『アンタの野望も悪巧みも、今日で終いよ！』

臣「野望はあるが悪巧みはしておらん！
何のことだかサッパリだ！！」

『…え？』

心底困惑した顔をして、一瞬攻撃を辞めた。

『………』

数秒考えた顔をしたが、やはり攻撃がきた。
先刻までより強くなった気がする。

『父上が嘘をつく筈がないっ！！
お前達は国を滅ぼそうと企む悪国だ！私の手で阻止して見せよう！

全ては____父上の仰せのままに____』

切なげな伏目に目を奪われる感覚がした。
何か、吸い寄せられる。

臣「窓の外を見てみよ。お主の軍は壊滅したようだぞ？」

『…なっ！？』

臣「流石にキツイのではあるまいか？」

『黙れ黙れ黙れ黙れぇ！！』

臣「ガァッ……」

腹に槍を刺された…ッ…くっ…！
どんどん体内から冷えていく…意識が…保て…ぬ……

我はｼを覚悟した。だがしかし…

月「閣下！お目覚めですか！良かった…」

ゲネ「安心しましたぞ…っ！一時はどうなるかと…」

臣「むぅ…我は…」

月「倒れていらしたんです…廊下で。
ぐったりしている閣下を、1205番のケルパーズが見つけ、知らせてくれたのですよ。」

臣「そうか、大義であるぞ。褒めてつかわそう。」

ケルパ「勿体なきお言葉…感謝します、桜華様ぁ！」

ゲネ「それにしても…あの娘、強かったですな。
歯が立ちませんでした。」

月「えぇ、本当に…殆どあの子1人で、我が軍がこの有様に…。」

臣「鍛え方が足りなかったか…不覚。」

ケルパ「我々があそこで止められていたら…」

月「あの子、巷では "無敗の氷軍曹" とか、
"氷の軍曹姫" とかの異名で呼ばれているそうですよ。」

臣「無敗の氷軍曹…ピッタリではないか。
我でも負ける相手がいたとは…」

ケルパ「あのぅ…お客人ですぅ…」