episode.2 ページ2
女子高生が言っていた通りの場所に「1年2組」と書かれた教室を見つけた。
なんとか残り2分で到着できた…よかった…
教室に入ると既にたくさんの生徒が集まっていた。知らない子ばかりの空間で少し身構えてしまう。
だがそこには一人―
「あ、Aさんじゃーん!!初日からギリギリ登校とかAさんらしくないけどどしたのー?」
いきなり大声で話しかけてくる三枝明那の姿があった。
私の存在が認知されてたことに少し安堵する。
だがそんな感情に浸るのも束の間、始業直前で静かに座っている者も多かった中、三枝の声のせいでクラス中の視線は私に向く。せっかく人目につかないようにこっそり登校して来たのに、とんだ災難
である。
それからは特に何事もなく、教室点呼、入学式、簡単なオリエンテーションと至って普通のいわゆる「入学初日イベント」が行われ、あっという間に放課後になった。
初日なので今日はすぐ帰ろうと思い、教室を後にし廊下を歩いていると、向かいからやけにうるさい声が聞こえてきた。
「やっぱり、幼稚園児もオープンスクールに来れるように先生に言うべきだって!」
「それはお前がちっちゃい女の子と戯れたいだけだろ」
「…それの何が悪いんだっ!」
「あーあ、開き直っちゃったよこいつ…」
話していたのは男女2人。女子の方は…さっき道を教えてくれた先輩!?
思わず狼狽えていると、あちらの方から私に近づいてきた。
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作者名:miya | 作成日時:2023年10月20日 0時