59.緑谷vs心操 ページ10
「一回戦！！
成績の割に何だその顔。ヒーロー科緑谷出久！！
ごめんまだ目立つ活躍なし！普通科心操人使！！」
軽くルール説明が行われた後、試合開始のゴングが鳴らされる。
「レディィィィイSTART！！」
僕は2人の試合を観客席ではなく、出入口付近から見ていた。
試合開始と共に心操くんの個性によって操られた緑谷くんが素直に場外まで歩いていく。
あと一歩で場外という所で緑谷くんを中心に風が吹き荒れた。
「緑谷！！とどまったあああ！！？」
そして操られないようにと口を閉ざしたデクが心操くんの元へ向かっていく。
「〜〜！指動かすだけでその威力か！羨ましいよ」
心操くんの悲痛な叫びが僕の耳にまで届いた。
「俺はこんな“個性”のおかげでスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間にはわからないだろ」
心操くんの個性は一言で言えば初見殺しだ。一度見破られてしまえば再度操ることは容易ではない。
「誂え向きの個性に生まれて！望む場所に行ける奴らにはよぉ！！」
そこからは互いに体術での勝負となり、緑谷くんの背負い投げで心操くんは場外に出た。
「心操くん場外！緑谷くん二回戦進出！」
「かっこよかったぞ心操！」
「正直ビビったよ！」
「俺ら普通科の星だな！」
「障害物競走1位の奴と良い勝負してんじゃねぇよ！」
観客席はヒーロー達が心操くんの個性を賞賛するで溢れる。
「聞こえるか、心操。お前すげぇぞ」
それから緑谷くんと2、3やり取りした後、室内に戻る心操くんに僕は声をかけた。
『心操くん！』
「⋯なんだよ、俺に操られて今更文句でも言いに来たのか？それとも負けた俺を笑いに来たのか？」
彼は煽るようにフッと鼻で笑った。
『違います。僕を騎馬に誘ってくれてありがとうございました』
騎馬戦ちゃんと見たかったけど！それでも心操くんのおかげでこうして第三種目に臨めている。だから、きちんとお礼を言っておきたかった。
言いたいことはそれだけだし、試合後できっと一人でいたいだろうから去ろうとするも、心操くんに呼び止められる。
『なんですか？』
「⋯⋯」
俯いて背を丸くしている心操くんが僕にはどうしてか、迷子の子供のように思えた。
あの日、知らない人だらけのA組に来て宣戦布告をすることにどれだけの勇気と覚悟が必要か⋯僕には計り知れない。
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るちあーの(プロフ) - やぁでぅんさん» コメントありがとうございます！その言葉が何より励みになります！！今後も面白くできるよう、この先の話も色々と考えているので気長にお待ちください！ (8月30日 17時) (
レス) id: d5117bafb0 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - めっちゃ面白くてあっという間に見終わってしまいました！これからも無理のない程度に更新頑張って下さい！！ (8月30日 0時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
るちあーの(プロフ) - スナさん» そう言って貰えて嬉しいです！！亀更新にはなりますがお付き合い頂けると幸いです！！ (2023年4月20日 14時) (レス) id: d5117bafb0 (このIDを非表示/違反報告)
スナ - うう、この小説めっちゃ好きです(´；ω；`) (2023年4月20日 1時) (レス) @page8 id: 607ade6e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るちあーの | 作成日時：2023年3月31日 13時
