負けられないねぇ ページ32
葉の揺れを見る。
誰かが居る場合、揺れ幅が僅かに違う。
「二時に三…十時に一…」
「……オーケー。他には?」
耳を澄まし、注意深く探すがいる気配はなく首を横に振る。
「対処しきれるかねぇ……」
「諦めるんですか?……英雄である貴方が。」
「……そこまで言われちゃ、諦めるわけには行かなくなるぞ?」
「上等です」
「そろそろ行けるか?」
「……行けます」
「──っ正面突破だ」
合図と同時に走り出し、雑木林の中に入り気配がある位置にハンドガンで数発撃った。
相手も反撃して数発発砲してくる。
それを躱しながら、フォローを入れつつポイントまで走り抜いた。
「そっち当たったか?」
「無傷です。……全員来てます」
「…まっ、他のチームに気付かれてないだけマシか」
「厄介なチームにターゲットにされましたけどね……」
ガサ……と雑木林の中から、四人が出てきた。
「Wineさんたちか……」
「諦めるなよ?」
「諦めるなんて、そんなの無いです」
「だよな〜……先に脱落するなよ」
「そちらこそ」
場数や戦闘能力、何もかもが相手が上……勝算は少ない。
「はぁ……」
やるしかない、か……いや。
「──俺なら“殺れる”」
FPSなら何十回、何百回とも他プレイヤーと殺りあったじゃないか。
そう考えたら、なんだか単純に思えた。
ガチャ…と銃の持ち方を変え、正していた背筋を猫背にする。
「あ゙ー……だっっっるい…徹夜明けでやるもんじゃねぇよ…こんなん」
さて、四人の内二人は殺れる、残りはEpicSansが簡単に攻略できる。
殺れる方を取るべきなのは分かる。
EpicSansが私が殺れない方に向かおうとしてる。
「どー、攻略すっかなぁ……」
手の内で踊らすか、速攻取って加勢……いや、足手まといになる可能性もある。
速攻取って様子見しつつ、射撃する程度なら足手まといにも邪魔にならない。
さっさとやろう……思考を回している間に殺られるのは最も勿体無い。
試しに数発撃って向こう二人の様子を見るほうが最善、それしかない。
「……っあー……ねみぃ。ねみぃなぁ…」
眠気のせいで口調が悪くなり、頭痛と目眩がする。
頭を振り、眠気を振り切ろうとする。
銃の引き金を引き、発砲した。
避けられ、反撃して来たが動かず、その場で避けた。
射撃は素人、反射神経は中の下といったところか。
五分五分の勝負になる、体力勝負か…。
……負けられないねぇ。
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藍霜月(プロフ) - 紅奈虹夢@虹茶さん» コメントありがとうございます!舞いですか…!‹‹\(´ω` )/››‹‹\(´ω` )/›› 神作品と言って頂いて嬉しいです…! (5月3日 22時) (レス) id: 64f8ddb167 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢@虹茶(プロフ) - 更新されてた..... 嬉しすぎて 舞い踊りたい気分です!! 神作品をありがとうございます (5月3日 21時) (レス) id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
藍霜月(プロフ) - 零科さん» コメントありがとうございます!更新頻度が落ちてしまって申し訳ないです…。最高といって頂いて嬉しいです…! (5月3日 21時) (レス) id: 64f8ddb167 (このIDを非表示/違反報告)
零科 - 久々の投稿......!今回も最高でした😊 (5月3日 21時) (レス) @page33 id: b0328d2f31 (このIDを非表示/違反報告)
兎妬 ぅさ子(プロフ) - 😆😆😆 (4月7日 16時) (レス) @page31 id: 75fc25324b (このIDを非表示/違反報告)
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