二十一粒目 ページ23
「…あのさ、なんで惚れ薬なんて作ったんだい？」
「べ、別に作りたくて作った訳じゃないけど…でも、失敗したおかげで物間君とずっと一緒にいられるから、私にとっては大成功だよ！」
屈託のない笑顔をこちらに向けられる。普段あまり笑わず困った表情をしているから、こんな真っ直ぐな感情を出されると…さすがに照れるというか。
「もしかして…物間君は私といるの…やっぱり嫌…かな？
でも、今は一緒にいたいの。わがまま、聞いてくれるかな…？」
ああ、ダメだ。素直な涙川さんに僕はめっぽう弱い。
「し、仕方ないなぁ!でも、他の人に勘違いされたらどこまで噂に尾びれがつくか分かんないから…」
なんとか説得し、僕たちは帰路を歩み始めた。
距離こそ近いものの、約束通り涙川さんは僕に触れてこなかった。
というか…この薬って涙川さんが作ったんだよな…？
だったら、彼女から受け取った解毒剤でこの惚れ薬を打ち消せるんじゃないか？
「ねぇ、物間く…んん！！？」
涙川さんの唇に試験管を押し付ける。液体と光る固体が全て流し込まれるように。
僕は、まやかしの感情で好かれたい訳じゃないんだ。
「けほっ、けほっ……あれ、私…？？」
「はぁっ…正気に戻ったかい？」
「あ、物間君…って、ここ通学路？」
どうやら薬を服用して効果が効いている間の記憶は消えているようだ。
君がどんな仕打ちを僕にしていたか、全部話してみたいとも思ったが彼女の自尊心が轟音を立てて崩れ落ちそうだからやめておこう。
「君、惚れ薬を飲んだんだよ」
「惚れ薬っ!!?ああ、まさかまた失敗して…」
ほんっとに馬鹿！それで物間君に迷惑かけるとか…
ぶつぶつと自らを罵るような言葉を呟いていたが、数十秒経つといつもの様子に戻った。
「ごめんね、物間君。もしかして送ってくれようとしてた？」
「うん、まぁ、一応ね」
「あとは一人で帰れるから！ありがとう！じゃあね！また明日！」
「え、ちょっと！送ってくけど…」
僕の返答が耳に入った様子でもない。
焦っていたようにも見えたけど…なにか用事でもあったのだろうか？
「…とにかく、心臓発作で死ななくてよかった」
・・・・・・
「パワーローダー先生！Aさんが作ってた薬の資料、見つけましたよ！」
「ほぅ？…はぁーん、涙川、『素直になる薬』作ってたのか…」
「先生、めっちゃ悪人面してますけど！」
「なんでもねぇよ」
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真裏(プロフ) - 犬田さん» 原作に近い性格を目指して頑張ってます!嬉しいです、ありがとうございます！ (2018年12月23日 10時) (
レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 物間くん！！！って感じですごいきゅんきゅんします大好きです！！！頑張ってください！！ (2018年12月6日 8時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
真裏(プロフ) - くじらさん» 応援ありがとうございます！物間君かっこいいですよねぇ… (2018年9月24日 9時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
くじら(プロフ) - 物語めっちゃ好きです…物間くん推しなので楽しく見させてもらってます！これからも応援してます！ (2018年9月24日 1時) (レス) id: 346b0ed4c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真裏 | 作成日時：2018年9月5日 18時
