十九粒目 ページ20
「……すぅ……ん、んん……」
「…っ……っ！！」
なんで寝てるんだよ涙川さんっ！！
いつも通り、涙川さんの工房に足を運ぶと、この部屋の主は机に突っ伏して眠っていた。
たまに眉を顰めて唸っていたりするけれど、悪夢を見ている訳ではなさそうだ。
その証拠に、ふふふと笑い声を漏らしたりもしている。
それにしても…寝顔見られてるって分かったらどんな反応するんだろう？
こんな無防備な状態で、この部屋に僕と君だけなんだぞ？
僕の理性が切れる危険もあるけど…それより、他の男子が入って来て何かされる方が心配だ。
いざとなったら自分で腹を切ればいい話だしね…。
「ん…？」
涙川さんが寝ている机に書類が乱雑に置かれているのを見つけた。
＿＿全部、薬の調合法や材料についてだった。
その中の一枚に、文字がかすれてあまり読めないものもあった。
でも、それは何やら大事そうな書類でもあった。
【事象を起こす薬と人体に働きかける薬。私が作る薬＿＿＿く分けてこの二つ。】
【事象を起こす薬は、現象や反応が終わってしまえば効果はない。】
【しかし、人体に＿＿ける薬には長い間効果が切れ＿いものもある。】
【効果が効き続＿＿ると危険な薬があること＿＿身をもって知った。】
【私の＿＿＿ィアドロップジ＿＿リーには効果を打ち消す作用が＿＿とが判明した。】
【＿＿＿＿＿に入れれば＿＿＿＿し＿＿＿ない。】
最後の方はほとんど読めなくなっている。
「私の…なんて書いてあるんだ」
確証は持てないが、私のと書かれている時点で涙川さんに関係あることは間違いない。
もしかして、ずっと隠し続けている個性のこと…だとか？
それが分かれば、もう少し涙川さんに近づけるのに。
「知りたいけど、泣かせる訳にもいかないし…」
うーん…と低く唸る。
物音ひとつさえしないこの部屋によく響く。
この部屋といえば…
見回すと、無数の試験管やビーカー、フラスコがあらゆる場所に置いてあった。
白衣も綺麗に畳まれて、部屋の隅に置かれている。
あれ、白衣何枚あるんだ…？軽く五着は越えていそうな厚さだ。
「ふぁぁ…んー……」
ガタっと机の方から音がした。
起きたんだ、涙川さんが。
「あれ…誰かいりゅんですか…？」
寝起きだからなのか、珍しく涙川さんの呂律が回っていない。
こんな些細なことに胸が動くのを感じてしまう。
「…ものまくん？って、そんなわけないかぁ」
「いや、あってるよ！物間君だよ！」
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真裏(プロフ) - 犬田さん» 原作に近い性格を目指して頑張ってます!嬉しいです、ありがとうございます！ (2018年12月23日 10時) (
レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 物間くん！！！って感じですごいきゅんきゅんします大好きです！！！頑張ってください！！ (2018年12月6日 8時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
真裏(プロフ) - くじらさん» 応援ありがとうございます！物間君かっこいいですよねぇ… (2018年9月24日 9時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
くじら(プロフ) - 物語めっちゃ好きです…物間くん推しなので楽しく見させてもらってます！これからも応援してます！ (2018年9月24日 1時) (レス) id: 346b0ed4c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真裏 | 作成日時：2018年9月5日 18時
