十五粒目 ページ16
「アンタさ、最近ずっとサポート科に行ってるよな？そんなにアイテムが必要なのか？」
昼休み、拳藤に腕を引かれ、そんなことを問われた。
「僕がそんなまやかし道具に頼ると思うかいっ！？」
「いや、この前サポートアイテム使ってたよな？」
「ぐっ、あれはお試しだよっ！ほら、雄英のサポート科がどれほど有能か気になるだろ！！？」
どうして拳藤は図星をつくのが得意なんだろう？
しかもすぐ手刀使うし…。
姐さん的な存在だから頼りにはなるけれど、愛の鞭が多すぎる。
「…今、失礼なこと考えたな？」
「全部が全部失礼な訳ではないと思うぜっ？」
「てことは多少は失礼だったんだな」
拳藤が個性を使い、手を平たくしてチョップの準備を始めた。
待って待って待って、終わる。死ぬ。
「はぁ…ま、大抵気になる女の子ができたとか、そんなんだろ？」
呆れたような察したような…そんな目で拳藤は僕の瞳を捉える。
気になる女の子ができた…？気になる、気になる…
涙川さんの顔が瞼の裏に焼きついていたので、目を瞑るとダイレクトに彼女の表情が思い出された。
気になる人って…どういう意味だっけ？
「……はっ！？」
そうか、気になる人は好きな人って意味だ。
そう理解するのに数十秒がかかった感覚がしたが、拳藤の様子を見るとそんなに時間は経っていないようだ。
「ふぅん、へぇ、そうなんだぁ…??」
ニヤニヤと憎たらしいような笑みを貼り付けた拳藤が意味ありげに近づいてくる。い、一体なにしようとしてるんだコイツ…。
「な、なにさ…拳藤には関係なっ」
じりじりと距離を詰められ、ついには壁と背中がくっついてしまった。
と、とりあえず殴られないようにはしたい…っ！
目をギュッと閉じて衝撃に身構えたが、伝わったのはトンっ、という軽い刺激だった。
「…へ？」
その感覚は胸のあたりに突きつけられていた。
個性の影響で僕よりも大きい拳。拳藤の拳だった。
「なんでそんなに逃げるんだよ…ま、頑張れよ！クラスメイトとして応援してるからさ」
ニカっと歯が見える笑顔。それが拳藤らしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真裏(プロフ) - 犬田さん» 原作に近い性格を目指して頑張ってます!嬉しいです、ありがとうございます！ (2018年12月23日 10時) (
レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 物間くん！！！って感じですごいきゅんきゅんします大好きです！！！頑張ってください！！ (2018年12月6日 8時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
真裏(プロフ) - くじらさん» 応援ありがとうございます！物間君かっこいいですよねぇ… (2018年9月24日 9時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
くじら(プロフ) - 物語めっちゃ好きです…物間くん推しなので楽しく見させてもらってます！これからも応援してます！ (2018年9月24日 1時) (レス) id: 346b0ed4c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真裏 | 作成日時：2018年9月5日 18時
