変わり者姉妹、合流を目指す模様 (ページ10)

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第335話姉、予期せぬ危機！？ページ10

(……来たか)
天気は、快晴。皮肉にも絶好の処刑日和と言えそうだ。眼下にはいくつもの船と記者らしき人々。波止場にてわざわざ用意された処刑台にはギロチンがセットされ、正面──といっても、噴き出す血が届かない程度には離れている──には豪華な長机と椅子が設置されている。天竜人が座るんだろう。時刻は、着々と迫っている。
……ガチャ
「時間だ」
「はい」
看守に連れられ、部屋を出る。まだだ、まだ逃げるときではない。ギリギリまで引きつけ、油断したところで逃走する。
階段を下りて1階へ。そこから通路を抜けて、扉の方へ。
「この先だ」
そう言って、看守が扉に手をかけようとしたとき。
「待て」
「ッ！？」
突然の制止に振り向くと、黒いコートを着た男の姿が。誰だ、こいつ？原作では見たことないし、看守でもなさそうだぞ。
「安心しろ、おれはCP1の者だ。そこの死刑囚に用があって来た」
「え？」
し、CP1？なぜそいつが私のところへ？
「天竜人の要望だ。もう声も聞きたくないそうなので、お前に猿轡をさせてもらう」
「ッ！？」
な、なんだって！？口を封じられちゃ能力が使えないじゃないか！最悪オーラで押しきるという手もあるけど、制御が難しい以上確実な手段では……！
「時間が迫っている、早く口を開けろ！」
「ッ、んがっ！？」
ま、まずいまずい！ちくしょうこうなったら！
「──────ッ！」
ガチャンッ！
「ふっ。まったく、無駄な足掻きを。まあすぐに抵抗をやめたのは懸命だったな」
私が呟いた直後、猿轡を噛まされ後ろの金具が音を立てて閉じた。これでこれ以上能力は使えない……！ああ、最悪だ！あと少しってところでこんなピンチに巻き込まれるなんて！
私はもう、最後の希望に賭けるしかない。どうか頼む、成功してくれ……！