変わり者姉妹、合流を目指す模様 (ページ5)

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第330話姉、約束させるページ5

ホーホー……
「はあ……今日は災難だったなあ」
あの後2人はヘラヘラしながら謝ってきやがったので、明日のおやつの一部を私に献上する約束をさせた。ふっ、転んでもただでは起きないのさ！
「おどれもおどれじゃろが。過剰に反応しすぎる」
「うっ……それは、そうですけど。でもほんとに耐性がないんです」
だって、別に今までオシャレなんてあまり意識してこなかったし(今もしてないけど)。こんな素のままの私を「かわいい」って褒めてくれるなんて、ほんとに嬉しかったんだ。
「まあおやつの約束も取り付けたし、それを考えればプラマイゼロですね」
「好きなのか、甘いもの」
「嫌いではないですかね。サカズキさんは？」
「……好きではない」
「へえ」
まあイメージ通りっちゃイメージ通りだな。ただ、こういう人が甘党だったりするとすっごく萌えます、個人的に。
それを想像してニヤけそうになるのを我慢していると、サカズキが不意に呟いた。
「変わっちょるのう」
「え？」
「殺されるちゅうときに敵とニコニコしながら話すおどれは、本当に変わりもんじゃ」
ああ、それはそうか。でも私海楼石効かないから、すぐに逃げ出せる状態なんだよね……まあ言わないけど。それに──
「私だって、死ぬのは怖いです。ただ、梨香の代わりに死ねるならそれほど光栄なことはないと思ってますよ。だって、梨香は大切な妹だから。私が身を呈して守れるのなら、喜んで死にます」
「……ふっ。ほんにおかしいのう、おどれは」
サカズキの顔が、ふっと緩んだ。
(あ、笑った)
ドクン
……？
「──そろそろ寝ますね。あと3日よろしくお願いします」
「せいぜい大人しくしちょれ」
「はあい」
ソファーに寝そべり、毛布をぐるりと身体に巻き付ける。はあ、今日も疲れちゃった。明日はのんびりできるといいな……。