変わり者姉妹、合流を目指す模様 (ページ37)

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第360話姉、哀れむページ37

──頂上戦争、当日
(……ついに、来たか)
白ひげの艦を見つめながら、私はサーチしておいたところに着地した。戦争が始まる。最悪の、悲劇が。
(でも──悲劇にはさせない！)
救ってみせる。エースも、白ひげも！死なせやしない！
白ひげが放った海震に難なく耐え、その後に続く激しい攻撃の合間を縫って様子をみる。まだ出るときではない。できるだけ力を温存しておくんだ。
「勝者だけが、正義だ！」
ん、今のはドフラミンゴか。正義……勝者が正義、ね。
「哀しい人」
なるほど、経験則なんだろう。1度敗者としてボロボロに打ちのめされた彼にとって、当然のことなのかもしれない。それを否定する気はない。でも、そんなの哀しすぎないか？本当に勝者のみが正義を振りかざせるなら、勝者のすることが正しいなら。こんな戦い起こらないだろうに。それに、それって……全ての人が手を取り合うことはできないって、ことじゃないのか？もちろんそんな理想論が叶うとは思ってないけど、虚しくないか──いや、今は感傷に浸ってる場合じゃない。そろそろセンゴクさんが指示してもおかしくないはずだ。
『全艦全兵に連絡！目標はTOTTZ──』
そら来た。ということは、そろそろルフィ達が落ちてくるはず。あの豆粒みたいなのがそうだな──ん？
(この、気配は)
……なるほど。くまにでも頼んで飛ばしてもらったか。なかなか考えたじゃないか。まったく、心配かけて！でもよかった、ちゃんと合流できたし。
「……遅いよ！」
口角が上がりきると同時に、軍艦は海に着水した。その瞬間、ゾワッとした感覚が私を襲う。ちょっと梨香、怒るのはわかるけどいったん落ち着いてよ。
梨香は自分に集まる注目も気にせず軽やかにモビーに飛び移り、ルフィに話しかけた。
「ルフィ」
「なんだ？」
「俺、先に行ってていいか？」
「ああ、死ぬなよ！」
「冗談言うな、たっぷり休んできたっての」
シュンッ！
(……おいおい、速すぎだろ)
梨香、いま剃並みの速さで敵に突っ込んでったよね？どんだけ身体能力強化してんだか……。ガス欠にならないといいんだけど。