変わり者姉妹、合流を目指す模様 (ページ30)

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第354話姉、止めるページ30

ドフラミンゴは書きものをしていたらしいがペンを置き、ベットに腰掛けて私を手招きした。
「ほら、来い」
「お仕事があるのでは？」
「問題ない、すぐ終わるようなやつだ」
「はあ……」
ほんとなら拒否している部屋に戻りたいところだけど、寄生糸(パラサイト)で操られたらそれこそ大変だし。仕方ないと覚悟を決めて、私はゆっくりと彼に近づく。
「あの、私の荷物は？」
「部下に言って運ばせといた。今頃はお前の部屋だ」
「ああ、ならよかった」
少しでも時間稼ぎをするために会話をするが、努力虚しく。私とドフラミンゴの距離はあっという間に0になった。
(あ〜、いったいどんな風に弄られるんだろう)
「フッフッフッ！いい子だ──が、警戒心が薄いな」
グイッ！
「え」
ドサッ！
いきなりドフラミンゴに腕を引かれ、私はベットに仰向けに倒れる。視界にはドフラミンゴと、ベットの天蓋──なんでこの世界のおっさん共は私を押し倒したがるんだろうか。
「綺麗だな、髪」
「お褒めにあずかり光栄でございます、陛下」
「そんなにかしこまるな」
ケラケラと笑いながら私の髪の毛を撫で、そっと口付けをする。うおお、私ショートヘアだから顔が近ェ。というかめっちゃいい匂いするなこいつ！香水か？
「……痛まねェのか？その、傷は」
「傷……ええ、もう大丈夫です」
傷と言われて一瞬なんのことかと思ったが、本人の表情で切断された腕のことだとわかった。袖をまくり上げて、つなぎ目もないことを証明する。
「というか、あなたらしくありませんね。随分紳士的で」
「フッフッフッ！おれはいつでも紳士だぜ？」
「紳士は人の腕を切断したりしませんよ」
話しながら彼の胸を軽く押して、離れるように促す。ところが離れるどころかさらに顔を近づけてきた。ちょ、近い近い。このままじゃちゅーしちゃうぞ。慌てて押す力を強める。
「だめ、です！こういうのは、恋人同士でやるべきでしょ」
「お前、ほんとにお堅いな……」
呆れたように離れるドフラミンゴ。ふう、なんとか引き下がってくれたか。