変わり者姉妹、合流を目指す模様 (ページ14)

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第339話姉、言い当てるページ14

「ちょ、ちょっと待ってください！なぜ海軍にも秘密にしなければならなかったんですか？だって、海軍はあくまでも世界政府の一部でしょう？」
お、質問……あの記者、なかなか勇気があるな。答えるとしよう。
「確かに。海軍は世界政府の下部組織と言っても差し支えないでしょう。なんせ総帥が聖地マリージョアにいるのですから。しかし、それこそが世界政府が情報を伏せた理由なのではないでしょうか」
「え？」
「もちろん海軍が大人しく協力あるいは能力者を差し出してくれるのなら、世界政府にとってこれほど都合がよいことはないでしょう。しかし、もし海軍が協力しなかったら？それどころかその能力を材料に、世界政府からの独立を要求したら？政府にとってはとんでもない損失となってしまいます。まあ戦力を独占したかったというのもあるかもしれませんが」
それ以上質問がないのを確認して、続ける。
「また、世界政府はサイファーポールに命じてコトコトの実の情報収集に全力を注がせ、怪しい者は即調べるようにしていたのではないでしょうか？海賊なんかは、図鑑で調べて実の名前を言いふらしてそうですし」
世界政府が図鑑に載せたのもこういった意図があったんじゃないかと思うが、わざわざそこを説明するのは面倒なので言わない。私の仮説は、そろそろクライマックスに近づいている。
「そうして年月が経ち、私がコトコトの実の能力者となった。ところが、世界政府がそれに気がついたときには既に遅く。私は本当の能力を使いこなし、また従わせることもできそうになかった。だからこそ、私を処刑するよう海軍に命じた。もちろん迷いはあったでしょうが、放置すれば確実に被害を受ける現在の状況よりはマシという判断だったのでしょうね──とまあ、ここまで考えたのですが。政府の高官殿はどうお考えで？」
「ヒッ！？」
ふん。この状況下で見逃すとでも思っていたのか？もちろん追及するに決まってんだろうが。
相手が答えるのに合わせて見聞色を集中させ、思考を読む。
「ふッ、ふざけるなッ！そんな証拠がいったいどこにある！」
『くそ、まさかそこまで読まれていたとは！たかが小娘と思っていたが……！』
おう、見事なまでの食い違い。これで確定ですな。
「まあ、これはあくまで私の仮説ですし？そこまで必死に否定しなくてもいいと思いますけど？」
「ッ！」
そんなことをした覚えがないなら堂々としてりゃいい。下手に否定すんのは、「そうですよ」と言ってるようなもんだろ。