変わり者姉妹、運命に抗う模様 (ページ44)

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第324話姉、ババ抜きするページ44

──インペルダウン、ホール
「じゃあ、今日から処刑までよろしくお願いします！」
「よ、よろしく……？」
インペルダウンに宿泊する客のコミュニケーションの場であろう広めのホール。そこに据え付けられたソファーに座るセンゴクさん達に、私は頭を下げていた。
私がセンゴクさんにしたお願い。それは──処刑までの時間を、4人とともに過ごすこと。だって、海軍の皆さんとの貴重な接触チャンスですよ？ここは有効活用しなきゃ損でしょ！センゴクさんも最初は渋ったけど「処刑を大人しく受ける」って条件は魅力だったらしく、三大将との話し合いも経て許可が降りた。
「まあよろしくはいいんだけどさ、何かやることあるの？」
「……トランプ？」
「考えてないのかよ」
し、仕方ないじゃん！私はただ単にみんなと過ごしたくてこの条件出したの！何かしたくて出したわけじゃないの！
「まあいいんじゃないのォ〜？ちょうどトランプもあることだし、ババ抜きでもするかィ〜？」
「はいはい！します！」
ふっ、私のポーカーフェイスが火を噴くぜ！

──1時間後
「お先しまーす！」
「ええっ！？またおれ！？」
「青キジさん顔に出すぎなんですよ」
あれから1時間、ひたすらトランプを続けてたんだけど──クザンが弱すぎて笑える。ジョーカーがくると明らかに「げっ！」って顔するし、そのジョーカーが取られそうなときはニヤケかけてる。素直だからかな、欲望に。
というか、いい加減二つ名で呼ぶのも疲れてきたぞ。名前知ってちゃおかしいかなって思って二つ名で呼んでたけど、もう聞いてもいいよね？
「あ、名前で呼んでもいいですかね？よかったら教えていただきたいんですけど」
「あ、いいよ。おれはクザン」
「わっしはボルサリーノだよォ」
「……サカズキ」
「センゴクだ」
「っと、クザンさんにボルサリーノさんにサカズキさんにセンゴクさんですね。ありがとうございます！」
……なんていうか、自己紹介の仕方にも結構差が。やっぱりみんなは個性的な面々なのかもしれない。
「じゃ、もう1戦しますか」
「次こそは……！」

──この後もクザンが連敗記録を重ねたのは、言うまでもない。