変わり者姉妹、運命に抗う模様 (ページ42)

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第322話姉、真面目に答えるページ42

「…………」
「…………」
ええ皆さん今までの流れからわかりますよね。3日目の今日はサカズキさんが無表情でこちらを観察しております。やばい怖すぎ笑えない。
(実験中のモルモットは絶対こんな感じに違いない)
怖いよ……ねえせめてその無表情やめて？その「どうやって殺してやろうか」みたいな無機質な表情やめて？お腹痛くなるから。
「……おい」
「ヒャイッ！？」
びびびビビった！いきなりどうしちゃったの！？
「おどれは、なんとも思わんのか？」
「……え？」
すみませんサカズキさん、言わんとすることがまったくわからんのですが。
「わしは火拳を殺した、それについてなんとも思わんのか？」
「え、自慢ですか？」
「なにをどう考えたらそこに行き着くんじゃ……」
ひ、ひどい！なにもそこまで言わなくても！というか自慢じゃないならなんなんだ？
「おどれは火拳を助けようとしちょったじゃろうが」
……あ、そゆこと。エースを殺した自分に対してなんとも思わないのかってことね──ちょっと待てこいつ本当にサカズキか？本人こんなこと言うキャラじゃないだろ。それともセンゴクさんに引き続きラノベ化が著しいのか？
(まあ質問自体は真剣にしてるし、こっちも真面目に答えますか)
「んん……まあ、何も感じないと言えば嘘になりますかね。ただ、怒りとか憎悪とか。そういうのはないです。だって赤犬さんはエースさんを殺すのが仕事だったし、赤犬さん自身もそうしたかったですよね？それを抑えつける権利は私にはないし、そもそもあなたを恨んだところでエースさんや白ひげさんが死んだ事実は変わらない」
「……妙な女じゃのう」
「ええ、自分でも自覚してますよ」
確かに、私の価値観や人生観は他人のそれよりどこか狂ってるのかもしれない。でもそれを矯正する気にはどうしてもなれなくて、そんな頑固な自分に思わず苦笑してしまう。ああ、私はなんておかしな人間なんだろう。
そう考えていると、サカズキが用意がポケットに仕舞っていたらしい電伝虫が鳴った。
プルルルル……
ガチャ
「はい、こちらサカズキ。どうしまし──え？」
珍しく困惑したような声を出し、サカズキは戸惑ったように顔を歪めた。あ、ちょっとかわいい。
「……はい、わかりました。すぐ向かいますけえ」
ガチャ
電伝虫をきった後、サカズキはそのままエレベーターへ。センゴクさんからの呼び出しかな？なにかあったんだろうか？ルフィが16点鐘するにはまだ早いし……。