変わり者姉妹、運命に抗う模様 (ページ39)

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第319話まっすぐな目センゴクside ページ39

「──以上が、尋問の結果だ」
インペルダウンの客室で、おれは尋問の結果を大将達に報告していた。予想はついていたが入手した情報に度肝を抜かれたようで、3人とも目を丸くしている。
「14歳に12歳……若いとは思うちょりましたが、そこまでとは」
「それに覚醒者、とんでもないやつを捕まえましたねェ〜」
「ああ、まったくだ。素直に答えていたのが不思議でならん」
そこで、考えにふけっていた青キジが手を挙げた。
「センゴクさん。ほんとに妖魔の使ってた刀、普通のだって言ってたんです？」
「ああ、そうだが……」
確かに、それはおれも気になっていた。おそらく、あの尋問で混沌の魔術師(カオスウィザード)がついた唯一の嘘。彼女は普通の刀だと言っていたが、実際に見た者からすればそんなバカな話があるかと言いたくなる。いったいどこに、あんな恐ろしい気を出す刀があるというのか。
さらにもう1つ。姉妹が生け捕りのみとなったのはどちらも世界政府からの指示だが、妖魔の場合は天竜人の意思も関わっているらしいことがわかった。しかも、その天竜人はいわく付き武具のコレクターだ。そんな人間が目をつけるような武器なら普通であるはずがない。
「少なくとも、その件に関しては偽りだと考えるべきだろう。その他に関しても嘘を吐いている可能性もあるから、あまり信じ込むなよ」
「はい」
(──嘘、か)
自分で言っておいてなんだが、おれには彼女が嘘をついているようにはどうしても思えなかった。特別な根拠というものはない、ただの直感だ。静かに、そして真摯に見つめ返してくるあまりにも海賊らしくないあの目に、おれは魅せられてしまっているのかもしれない。
その穏やかに微笑む口元に疑問を感じ、それを口に出したときも。
『ええ、楽しいですよ』
まるで、「自分のことを知ってくれるのが嬉しい」とでも言いたげな笑顔でこちらを見てきて。どこか眩しく感じ、そのまま逃げるように場を去った。
(──だめだ、今はそれを考えるときではない)
沈んでいた思考を引き上げて、おれはペンと紙を手に取った。
「では、次にする尋問での質問をまとめようと思う。何か案はあるか？」
「ああ、それなら──」

「でぃえっくしょい！」
(うう……誰かが噂でもしてるのか？というか、それにしてもインペルダウン複雑すぎでしょ！)