第254話 異形と平穏 くまside ページ11
「さすがは……あんたの息子だな。……ドラゴン」
海賊狩りのゾロのことを考え、ふとそんな言葉が零れた。本人と直接会話することはなかったが、「世界一の剣豪になる」という野望をもつ男にあそこまでさせるのなら本人の器も相当なものだと伺える。彼なら、あるいは──
「お前か？」
「ッ！？」
そこまで思考したところで、突然声がかかる。まさか、彼らは全員気絶しているはず……！？
「お前が梨香を、みんなを傷つけたのか？」
怖いものみたさというべきか。恐怖が好奇心に押し負けて、おれは後ろを振り向いてしまった。
「なッ……！？」
(なん、だ！？)
そこに居たのは、ヒトの形をとった『異形』。黒いモヤを身にまとう身体には無数の傷があり、その顔には表情がない。ただ瞳にのみ、怒りの焔と憎悪の闇が宿っていた。
まずい、確かに彼女の仲間を傷つけたのはおれだ。だが素直にそれを口にしたら、おそらくおれは一瞬で死ぬ。いやおそらくなどではない、確実に死ぬ！
(なんだ！？なんなんだこの異様な力は！？)
ともかく、ここは切り抜けなければならない。
「いや、おれが駆けつけたときには既にああだった」
「本当に？」
「ああ、本当だ」
「……そう」
ドサ
おれに確認をとった瞬間、モヤは霧散し。おれの足元には、少女が1人倒れ伏しているだけだった。化け物でもなんでもない、ごく普通の少女。唯一特筆すべきことは、麦わらの一味の手配書にはない顔だということくらいだ。
(だが、あのモヤは間違いなくこの少女から発せられていた。いったいあれはなんだというんだ？)
一瞬見たときの感覚は、覇王色の覇気と似ていた。しかし実際は違う。もっと凶悪で、邪悪なもの。脆い精神ならば、すぐに発狂していたかもしれない。
(下手をすればこれは──覇王色より、厄介になるな。一応報告しておかねばなるまい)
マリージョアに向かうための準備をしながら、ふと少女を見つめた。目鼻立ちのすっきりした顔立ちは、今はとても安らかな笑みを浮かべている。先程とは真逆だ。
(普通にしていれば、こうした笑みをみせる。ああなるためには、何かしら条件があるのかもしれない)
もっともそれが知られる頃には、おれの意識はなくなっているだろうがな。
それを少し残念に思いながら、おれは準備を進めた。
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ゆき - ルイカさん» スミマセン今まで書いてた小説が出来なくなり新しいサイト（フォレストページ）で書いているのでスミマセンがお願いします (2017年4月3日 20時) (
レス) id: 8690baa923 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - ルイカさん» づつきまっています (2017年4月1日 16時) (レス) id: 8690baa923 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - ルイカさん» タイトルは「ワンピースの世界のキャラクターが別のゲームの世界にトリップ？」です コメントや感想もお願いします (2017年3月31日 21時) (レス) id: 8690baa923 (このIDを非表示/違反報告)
ルイカ(プロフ) - ゆきさん» もちろんです！なんという題名か教えていただけますか？ (2017年3月31日 21時) (レス) id: 4660d06a48 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - ルイカさん» いえいえ きながにまっています 自分も小説を書いているのできてください (2017年3月31日 20時) (レス) id: 8690baa923 (このIDを非表示/違反報告)
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